日曜万葉噺。今月も『マゾヒズムに花札を!』連動で、押してみると致しましょう
万葉集 万葉の人々 万葉のこころ 犬養孝 台風9号 熱帯夜 マゾヒズムに花札を! 齋藤杏花facebook Facebook 『マゾヒズムに花札を!』連動 齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 芒 - 8月 高圓の 尾花吹き越す 秋風に 紐解き開けな 直ならずとも 大伴池主 初尾花 花に見むとし 天の河 隔なりにけらし 年の緒長く 大伴家持 七夕の歌 花つ妻
期待していた台風9号が、当初予想に近い海寄りのコースを辿った為、思った程に雨は続かず、また一日涼しかっただけで再びの熱帯夜が始まりだしました。
めげず参りましょう。
つーことで、『マゾヒズムに花札を!』連動の万葉噺をば。
花札の8月といえば、芒です。
そしてこの月は、光札と種札の両方があり、でございますので他月よりパーツは豊富です。
光札の満月…
芒別名坊主というくらいで、満月は花札全体で見ても代表的アイテムです。
けどまあ…
万葉集でみれば何故か、はっきり満月=望月と詠った歌はあんまみませんね、
月齢示さずあいまいに月と詠ったのが多く。むしろ三日月なんかが目立ちますわ。
平安以降の和歌集は望月が目立つというのに、少々意外なとこです。
ま、ない訳でもないのですが、これは仲秋の名月の折までとっておきましょう。
花札から離れたとこで噺します。
そして種札の雁。
うーん、冬鳥ですよねえ。
調べてみるに、日本に渡ってくるのは9月半ばからということで、8月は8月でも旧暦ですわ、
月後半まわしとしましょう。
消去法で残ったのが芒です。
別名尾花、秋の七草のひとつに数えられますから、万葉集でも必然多く詠まれています。
いつも巻の順でやってるのもなんですから、今月は逆順でいくか。
ラスト、巻二十から二首見繕います。
4295は、
高圓の 尾花吹き越す 秋風に 紐解き開けな 直ならずとも
詞書に、
天平勝寶五年八月十二日、二リ三リノ大夫等ノ、各各壷酒ヲ提ゲテ高圓ノ野ニ登リ、聊カニ所心ヲ述ベテ作ル歌三首
とあり、その一番先に登場します。
左注に、
右の一首は、左京少進大伴宿祢池主
と。
ああ!例のLGBTの大伴池主の作でした。
詠まれた場所は、奈良市の東南方、高円山のあるあたりのことですが、このように野とは、傾斜地や高原をいう事があります。
結句、直ならずとも はいまいちイミフです。
さてもう一首の4308は、彼の思所(=こいびと)でもあった大伴家持の作です。
初尾花 花に見むとし 天の河 隔なりにけらし 年の緒長く
七夕の歌八首の中に登場します。
初尾花 ねえ。
初秋ってことでギリギリ季節感が出ると思ったけど、残念ながらこの歌では花を導き出すための枕詞のように思えます。
んで、出ましたよ、花つ妻!
詳細は、こちらをお読み下さい。
そんな魅力的女性だからこそ、天の川を隔てて、いつまでも長く新鮮な気持ちで逢えるようにと思っているのでしょう…
理屈っぽくはありますが、恋愛の情を綺麗に詠った歌です。