べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜第41回・歌麿筆美人大首絵を視たとこで、リアルタイムで今まで視てきた大河で一番の秀作は今年との思いを新たにしました

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久しぶりのお天気
例によって例の如く、翌日原稿を書き出した前日の昼下がり。
うん!まだ湿気ってはいるものの日暮まで干し続ければ、どうにか着替えの用は足せそうですね。
『空前の猿股不足』なんとか解消できそうです。
さあ、安心して火曜大河噺を書くと致しましょう。

大河べらぼう、一昨日の第41回・歌麿筆美人大首絵を視て、私、うなりましたわ。
脚本、っていうよりそれを含んだとこの演出の妙は抜群ですね。
いや、ホント、世辞の言えない齋藤杏花(さいとうあんな)が物心付いてからリアルタイムで視てきた過去大河の中の最高傑作が、今年のべらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜です。
第41回を具体的に言いましょう。

先ず出だしが秀逸でしたよ。
いきなり須原屋さんとの面談からはいったっしょ?
で、前第40回のラストがどうだったか思い出してみるに…
そうでしたよ、松田屋さんが駆け込んできて「須原屋さんが!」
ふふん、亡くなったと続く事を想像するのが思考の最大公約数というものです。
けどまあ、勿体ぶらずに、身上半減の沙汰ってことだったを含むとこの時間の経過は省き、いきなり蔦重の肩に愈愈、と話を進めたのです。
これが、このとこの過去大河で横行してた予告詐欺の流れなら、間違いなくそうはしなかったでしょうね。
余裕の演出と言ったとこです。
少々余談を言うなら、里見浩太朗さん、これでクランクアップかな?
だとしたら慶賀です。
ほら、年配の役者を通年で使うと『自主退場』してしまって代役立てることにも。
『花の乱』のだれだったかが急に変ってましたわ。
いやいや慶賀、ストーリー的にも役者的にも慶賀です。
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41回のMVPはなんていっても、おつよさんですよ、異議はありますまい。
主人公蔦重との親子永の別れ、綺麗に描ききりました。
初登場があまりにもチンケでしたものね。
そのチンケな伏線の回収ですよ。
いやいや26回だけの回収ではないんだ、初回その他様々な回で仕掛てあった、捨て子の伏線がここで回収されました。
この回収の仕方が見事なんです。
前回言った表現を使いまわすなら、大空に浮かんでいた飛行機が着陸するが如、自然に…
鎌倉殿の13人でも仕掛けた伏線は、ことごとに回収され、それを楽しんで視ておりました。
けど、今思えばです、自然な回収ではなかったのです。
回収の為に更に大きな伏線が張られることとなり、インフレが加速しついに最終回に全てのツケが回ってきたのでしたわ。
べらぼうも後7回?この分でいけば、ホント、綺麗に全ての伏線を回収し自然に大円談で幕を期待できそうです。

26回の副題は『三人の女』。その三者の感情の絡みが見事でしたね。
歌麿、とうとう言っちまいやがったコンチクショー!、蔦重に恋心を抱いてるとはっきり本人の口からその言葉が発せられました。
そして、それをだれよりも繁く聞かされていたのが、『二人の母』たるつよでしたわ。
つーか、周りも皆、薄々感づく、知らぬは重三ただひとり、と。
いつぞやみたいに、解説キツネさんに「バ~カ!」って言って貰わないといけませんね。
えっと、誰しもといいましたね。
おていさんも含めてです。

ほら、歌麿と熱心に商談してた折の。
ありゃ、歌麿がしてたのと同じ、悋気からの深謀遠慮ですよ。
うーん、やっぱり三人の女のタイトルは伊達じゃありませんでしわ。
そして、もう一組、vsつよの勝負です。
いつの回だったか?女房に丁寧語使って話す蔦重が、その直後につよとタメ口叩きあった、その折に見せたえもいえぬ表情…
これまた悋気と言えましょう。

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思えば蔦重って、心底つよとは打ち解けてたんですよ。
なんてったらいいんだろう?一番の親友ってカンジで軽口叩きあってさ。
儒教の精神で計ればトンデモですが、クレヨンしんちゃん
そうだ!しんのすけ&みさえ母子ですよ。
最近のは突き上げて影を潜めてしまいましたが、母親を「みさえ」って名前で呼び捨てにするの。
当初はこれも、ブームの一つでしたわ。
5歳男児にとって一番心を許せる友は母親、だからあれが理想の母子って擁護論もありましたよ。
早くに捨てられ、幼児期にしてもらえなかった事を、大店の主人になった後になってして貰ったのが、我らが蔦屋重三郎と言えましょう。

さて。最後に。
「怖くない、怖くない」は、私、見落としてましたわ。
なんだかリアルタイムで #島本須美 ってトレンドが出てきて。
はい、蔦屋の住み込み飯炊き女・たかが島本ってのは先刻承知です。
それからかつてナウシカの声をやってた事も。
けどまあ、その映画の台詞が41年たって大河ドラマで使いまわされたことにまでは気が付きませんでした。
うーん、風の谷のナウシカ、好きなのにねえ。

その好きなナウシカに気付かないほど没頭できる秀作が、べらぼうって事にしておきましょう。

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