大河べらぼう・第37回『地獄に京伝』を視終えたところで。将に『あったかも知れない可能性』を巧みに描き出した虚構との思いを、新たにしました
彼岸過ぎの熱帯夜 大河べらぼう 地獄に京伝 イヌも喰わぬ夫婦喧嘩 歌麿 眼鏡ブス べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 おきよ 梅毒 何気に悲劇的な結末が少なくない大河べらぼう 齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 春町の死 京伝 一橋治斉 蔦重の定信化 史実 あったかも知れない可能性 オリジナル設定
いよいよ9月の月末です。
かいいなあ!しかし。
彼岸過ぎの熱帯夜のおらほう、その中の太腿剥き出しスタイルでの雑巾掛で、蚊の大襲撃を受けちまいましてねえ。
ムヒを塗ったくりながらのキーボード操作で、火曜大河噺の原稿起こしです。
さあて、冒頭画像から。
いやあ、おていさん、怖かったですねえ!
この鬼の形相に蔦重はたじたじ、傍の歌麿と京伝はイヌも喰わぬ夫婦喧嘩にげんなりの景なんですが、その話は後に回しましょう。
べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜も愈愈後半も佳境の37回。
歌麿も無事にかみさん貰って、創作に身が入ってきたんですよねえ。
踊りの先生が扮してる、おきよさん、くるぶしのアップにお気づきになりましたか?
2度ありましたよねえ。
最初は吹き出物がポツンと一つ、それが2度目では全体に広がって…
あれです、ドラマ10大奥で見ました。
そう、♀源内は梅毒が全身に回って絶命したんでしたよねえ。
べらぼうでも…
次回の予告をこれまた注意深くみれば、やっぱ。
何気に悲劇的な結末が少なくない今年のべらぼうです。
噺はここからです。
37回はよかったですよ。
前36回を神回と評してるエキスパートも見ましたが、齋藤杏花 (さいとうあんな)はそれには与しません。
違います、違います、そういったネガディヴに意味ではない、なんていったらいいんだろう?
そうだ!係り結びですよ。
36回が係りの回で37回が結びの回です。
恋川春町の死ね、それが主人公蔦重ともう一人、重要人物にどう波及したか描ききったのが一昨日の、地獄に京伝でした。
もう一人の重要人物とは、言わずもがな、松平定信です。
見かけからの周囲の推量とは真逆に、それはそれは大きく、春町の死の影響を受けていたのです。
あとの方で、本人の口からネタ晴らしがされた、諫言の士を切腹されたことに報いる為にも、自分の信じた道を突き進めるのみ、と。
その一途ぶりは、狂気すら感じるものでした。
流石の白天狗・一橋治斉もタジタジってとこで。
否、どっちが策士か分らぬくらいで。
自分を老中首座に押した大奥年寄りすらも切り捨てる徹底振り…
白天狗が一本とられました。
けどまあ。
こうして白河公は、後日の言質をとられてしまうことになったのでした。
んで、主人公の蔦重も大凡らしくありませんでしたよ。
定信化が進んだと評した人がいましたが、将にそんな感じですわ。
似た者どおしなんだなあ、面識のないこの二人。
心の中の春町の残像が暴れだし、重三郎の方もハリガネムシに取りつかれたカマキリの如、いつもとは違う方向に暴走し、愛妻と、或いは無二の盟友と、大喧嘩になってしまったのです。
さあ、今後どう展開し、結末に持って行くものやら、興味は益々膨らみます。
面白いドラマですよねえ、べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜
そうなんですよ、これ、虚構、作り話なんですよ。
けどまあ、ここまで感情移入することが出来る、どうして?
それこそ劇中であった台詞の如く、その場に入り込んでしまえるからです。
もしかして…
その時代のその場所で、或いは描かれてるような事実があったのかもしれません。
あったかも知れない可能性…
べらぼうも史実に反するオリジナル設定も多々ありますよ。
けどまあ、史実って何?
誰かそれを実際に見てきた訳?
種々の資料を綜合し導き得だした、最も尤もくさい仮説が、史実と呼ばれてる訳で、所詮は仮説のひとつに過ぎないのが史実なんです。
ねえ?18世紀後半のお江戸の町で、べらぼうに描かれてる事実が或いは本当に起ってたかもしれない、そう考えると楽しいですわ。