中近世・中国の女性たち - 纏足によって男性に支配されたのか? ~ 杏花流『ウィークエンダー』の事を面白おかしく噺そうと思ったのですが、前提となるべき佐渡花記事が…

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今日がお彼岸の入りですね。
暑さ寒さも彼岸までの成句の通り、極端なくらい急に秋めいてきた土曜日、いつもの如く杏花流『ウィークエンダー』でホットな話題をお届けしましょう。

と、張り切って書き始めて、つらつら参照記事となるべき過去投稿を探してみるに…
纏足投稿は復元未済だったんだなあ、
つーことで、先ずは、っていうか、いきなり本文、ていうか兎も角、『サディズムに花束を!』記事を以下に復刻する事と致しましょう。

中近世・中国の女性たち - 纏足によって男性に支配されたのか?
(2006年)

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纏足とは、幼児期より足に布を巻かせ、足が大きくならないようにするという、かつて中国で女性に対して行われていた風習である。
宦官と違い、日本には伝来しなかった制度だ。
一体なんでこんなことを?
表向きは足の小さい女性が上品だということになっていたためであるのだが、裏には明らかなる支配の構造があろう。
足に対するフェチシズムの傾向が強い男性による支配…

つまりは、逃げ出せないようにするためである。
この時代は古代と違い奴隷制度はない。だが民主主義の時代でもない。
農奴… とりわけ農村部においては女性たるもの、荘園主の財産であった味には変わりはないのだ。

魯迅の小説あたりにもここらの事情は出てくる。
小作の男は適齢期になると、貯めた金を持って荘園主の元を訪れる。
金を数えた荘園主、うん、この金額ならあそこにいるのはどうだ? と指をさす。
と、取引が成立すると華燭の典である。
纏足娘はちょこちょこよちよちと、伴侶となった男についていくのだ。

今の価値観で計ればひどい話であるのだが、それはそれで結婚制度ではあったのだろう。
さらにである。
纏足娘が、口をきく道具として生涯支配され続けたか? そこらの事情がきわめて懐疑的であることからも、嗚呼! あわれなるかな、中国纏足女性、とは断じられないのである。
民話伝承に登場する彼女たちは、おおかた夫に纏足の包帯の交換までさせる横暴妻である。
別の場所でも何度か論者は、この話題に触れている。

中国の笑い話集『笑府』から。

 ある男、女房にいいつけられて纒足の包帯をほどいてやっていたが、臭くてたまらないので、思わず片手で鼻と口をおおった。すると女房が怒って、
「何です、そのしぐさは。いやなら、してもらわなくてもいいのですよ」といったので、あわてて、「いいえちがうんです。さっぎ蒜(にんにく)を食ベたので、その息がおみ足にかかってはいけないと思いまして……」

話は話としても、男性の支配心理を逆手にとっての逆支配は、いかにも小気味いいではないか?
そして、女性的である。最後に笑ったものが勝ち。

わが国においてもそうであろう?
山の神ということがある。女は三界に家なし、と言われながらもなんだかんだ他に家に入り、ちゃっかりそこの主になってしまうのである。
家の中こそが女性が支配者となれるべき場所。男性は男性なりに女性は女性はなりに、自分が戦うべきグラウンドが与えられているということだ。
論者に言わせれば、女性の社会進出のなんのと言って、敢えて男の領分に入り込む女は阿呆である。女王様よ、ミストレスよとちょうされて、マゾ男の充足のために汗だくになって鞭をふるう人種と似たり寄ったりといったところか。
思えば、人間が天より与えられている選択肢は無限にあるように見えてその実、案外少ないのではなかろうか?
だとすれば無難な選択をするのが賢い。森羅万象、全ての物事にはそれに伴う原価があるのである。

今の時代このような考え方の論者は多分、へそ曲がり女の部類になるのであろう。


今更ながら2006年の記事の訂正を。
宦官に関する記載に誤りがあります、日本には宦官もありません。
いえいえ!当時とて、知識が間違ってた訳ではないのです。
纏足が支那独自と強調したいが為、

西はアナトリア半島から東は朝鮮半島に迄の全亜細亜に存在しながらも日本には伝来しなかった

と書いたつもりが、どう読んでもそうは読めない

宦官と違い

の記述になってしまった旨、お笑いいただきとう存じます。


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お待たせしました。
ネット三面記事・杏花流『ウィークエンダー』最新版、
「新聞ニ拠リマスト 芸能プロ代表・鳥丸寛士容疑者が、未成年の所属アイドルを相手にわいせつな行為を複数回行なったとして、警視庁少年育成課に逮捕された、との事だそう、デス!」
開幕致します。

ま、この手のネタは最近ゲップが出るほど見てるためか、ネット以外ではあまり評判になってませんねえ。
朝日が有料記事にしてるくらいですか。
集英社が喰いついてますね。
広告を強制されますが、これを貼って置くとしましょう。

「運営とアイドルの交際はよくあること…」と16歳アイドルに“わいせつ”
 …逮捕された芸能プロ代表はクレーマー気質、事務所サイトには「私たちに背中を押させて下さい」


女性が従属せざるを得ない状況を悪用した卑劣な犯罪…
運営側とアイドルが交際することはよくある…

んで、被害女性の言い分も容疑者の供述も、地下アイドル界では非常にあり得る話だ、と。
しかも、件のGO little by littleってのは地下アイドル以下の地底アイドルを取り扱う事務所と続きます。
話は手にとるようによく分りますね。
芸能事務所って狭く限定する事でもなく、徒弟関係の密室ではありがちな事でしょうよ。
言ったかな?弟子の林葉のパンツ被って悦んでた将棋の米長とか、古くは田山花袋・蒲団の世界とか。
それが、社会情勢の変化で矢鱈滅多らに性的暴行と叫ばれるご時勢になったが為の歪から生じた、三面記事と位置づけられましょう。

と、結論付けてサゲてもいいのですが、ここはもう少し続けてみましょう。
>真剣な交際のつもり
これです、こっちの方向から斬ります。

婚姻関係でない真剣な交際、これを広く一般的にはお妾といいますよね。
古くは可也一般的にみられた…
ローティーンのお妾囲ってる強者も少なくありませんでした。
かかるお妾は一人前とは、ああいい意味ですよ、扱われない、適齢期になったらそれなりの男のとこに嫁入りさせてやるもの、
ってことで、愛人兼娘ってとこだったんですよ。
どっちに進むかはその折の当人の選択ってことで、それは大事にされてました。
だからこそ強者って呼ばれる訳でして、古き佳き時代だから成り立った風習といえましょう。
世知辛い現代の世では、小うるさい法規に妨げられて、考えることすらも出来ない風習です。

うーん、前時代の大陸の方では、荘園主が自領の全ての娘達をそのようにしてたとも聞きます。
今と違って、嫁入り道具で金が出るわけでなく、むしろ身代金めいたものが入ってくる、だから娘達もひとつの財産、だから脱走されぬよう…
と、冒頭の佐渡花記事へと続く訳でございます。

昔と比べ格段に豊かになったといわれてる現代、果たして物理的に、それにも増して精神的に豊かになったといえるものなのでしょうか?

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