毎度お馴染み・日曜万葉噺。月が明けて7月となりましたんでまた『マゾヒズムに花札を!』連動で歌を見繕えそうです

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何々?
齋藤杏花 (さいとうあんな)は全く関心のない話なんで、過去現在未来の如何なる時点に於いても微塵の関心も示す事はなかったのですが、昨7月5日に日本沈没だか地球破滅だかって、実しやかな噂が流れたの?
いやね。
なんか九州の果ての離島で群発地震が起きてるのを結びつけて、確かに一部は中ったなんて言ってんのがいたもんで、いやが上にも知ることになりましてね。
そうですよ、例の滝本太郎ですよ。
あのねえ、天変地異なんてもんは、必ずどっかの地点では起きてるもんなんですよ。
これが予言のメカニズム、部分的に中ってるで中りとするなら、的中率は100%なんですわ。
まあ、これが宗教なんてのを生む土壌なんでしょうね。
兎も角、ラチもないことこの上もありませんでした。

さて、月が明けて初めての日曜となりました。
そうそう、『マゾヒズムに花札を!』連動再開!
7月は萩の月です。
はい、萩ならば万葉20巻に頻出してることだろう、けど、チト季節的には早いだろう、
ってことで今日は、種札に描かれてる猪を、
とー、最初から決めて書き出したとこです。

なんと猪の歌ってあるにはあるんですが、何故か鹿とセットなんですよねえ。
巻八の先週まで狙い撃ちで俎上にあげた大伴坂上郎女の歌から入りましょう。
1560-1581に跡見田庄にして作る歌二首ってのがありましてね。
前の方が萩で、その後ろの方に猪が登場します。

吉名張の 猪養の山に 伏す鹿の 嬬呼ぶ聲を 聞くがともしさ


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なんとなんと、猪は猪でも単なる地名の猪でした。
歌に関しては引いた挿絵に詳述されてますのでそちらをお読み頂くものとします。

もう一首行きましょう。
巻十四ってんですから、久々の東歌ですね。
3428に猪が登場します。

安達太良の 嶺に伏す鹿猪の ありつつも 吾れは至らむ 寝處な去りそね


これは正真正銘、動物の猪でしたわ。
鹿と猪を総称して、しし、ししは肉に通じるのでしたよね。
但し、遺憾ながら、鹿猪の までは序なんだ、ありつつ、いつも変わらずを導き出す為に、同じとこに寝るものの代表の鹿猪を持ち出したわけです。
オレは変らずに訪ねよう、だからお前も寝床の場所を変えるな、と。
うーん、男から女に宛てた歌ですね。

陸奥の国の歌にして、相聞歌でした。

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