異常気象!西日本は6月中に梅雨明けしちまいましたよねえ。おらほうは未だですけど、それでも梅雨は忘れられたような陽気で。そんな中の日曜万葉噺です
万葉集 万葉のこころ 万葉の人々 犬養孝 異常気象 梅雨明け セイヨウアジサイ 齋藤杏花facebook Facebook 西千葉公園 夏葛の 絶えぬ使の よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも 大伴坂上郎女 大伴駿河麻呂 坂上二嬢 ひさかたの 天の露霜 置きにけり 家なる人も 待ち戀ひぬらむ 玉主に 玉は授けて かつがつも 枕とわれは いざふたり寝む 相聞歌
繰り返しますが、この異常気象で花がみんな枯れちまいましてねえ。
セイヨウアジサイなんてのは、今シーズン、見る影もありません。
我が庭のみならず、他所さんもしかり、
つーことで、西千葉公園の紫陽花の道も、この程度のもんでした。
さてそんな6月の最終日曜日、花同様、万葉噺もネタ切れ、
つーカンジで御座いますので、先週の続編で大伴坂上郎女で押してみましょう。
同じ巻四にもまだまだありますわ。
先ずは649です。
夏葛の 絶えぬ使の よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも
ん?夏が出てるからタイムリー、と思いきゃ、さにあらず。夏葛は絶に掛かる単なる枕詞です。
使いがなくなって気掛かりですがお元気?という単純な歌ですが、649には長い左注がついており、ここではそちらに注目です。
右、坂上郎女者、佐保大納言卿之女也。駿河麻呂、此高市大卿之孫也。つまり、一族の系図関係が分るってことなんです。
兩卿兄弟之家、女孫姑姪之族。是以、題歌送答、相問起居。
それによってこの歌が、先週も登場した駿河麻呂に対する返歌である旨も読めてきます。
ひとつ空けた651-652にまた、大伴坂上郎女の歌二首が出てきます。
ひさかたの 天の露霜 置きにけり 家なる人も 待ち戀ひぬらむ
玉主に 玉は授けて かつがつも 枕とわれは いざふたり寝む
玉主に 玉は授けて かつがつも 枕とわれは いざふたり寝む
うーん、ざっくり見る限り、二首連作という割には2つには関連性が見えません。
恐らくは、です。
やっぱ同じく、駿河麻呂との相聞だと思うんですよ。
と、なれば、651の家なる人ってのは娘の二嬢、姑が婿殿に早く帰ってあげなさいな、と詠ってる訳です。
そうなると、652との繫がりも見えます。
玉主=駿河麻呂 玉=二嬢 玉というべき下の娘は授けちまって、さあともかく、
私ゃ枕とふたりづれで寝るとしますかね、
いやあ、いくつになっても娘は娘、あはっ!