異常気象!西日本は6月中に梅雨明けしちまいましたよねえ。おらほうは未だですけど、それでも梅雨は忘れられたような陽気で。そんな中の日曜万葉噺です

IMG_2961.JPG
繰り返しますが、この異常気象で花がみんな枯れちまいましてねえ。
セイヨウアジサイなんてのは、今シーズン、見る影もありません。
我が庭のみならず、他所さんもしかり、
つーことで、西千葉公園の紫陽花の道も、この程度のもんでした。

さてそんな6月の最終日曜日、花同様、万葉噺もネタ切れ、
つーカンジで御座いますので、先週の続編で大伴坂上郎女で押してみましょう。
同じ巻四にもまだまだありますわ。
先ずは649です。

夏葛の 絶えぬ使の よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも


m0649.jpg
ん?夏が出てるからタイムリー、と思いきゃ、さにあらず。夏葛は絶に掛かる単なる枕詞です。
使いがなくなって気掛かりですがお元気?という単純な歌ですが、649には長い左注がついており、ここではそちらに注目です。
右、坂上郎女者、佐保大納言卿之女也。駿河麻呂、此高市大卿之孫也。
兩卿兄弟之家、女孫姑姪之族。是以、題歌送答、相問起居。
つまり、一族の系図関係が分るってことなんです。
それによってこの歌が、先週も登場した駿河麻呂に対する返歌である旨も読めてきます。

ひとつ空けた651-652にまた、大伴坂上郎女の歌二首が出てきます。

ひさかたの 天の露霜 置きにけり 家なる人も 待ち戀ひぬらむ

玉主に 玉は授けて かつがつも 枕とわれは いざふたり寝む


うーん、ざっくり見る限り、二首連作という割には2つには関連性が見えません。
恐らくは、です。
やっぱ同じく、駿河麻呂との相聞だと思うんですよ。
と、なれば、651の家なる人ってのは娘の二嬢、姑が婿殿に早く帰ってあげなさいな、と詠ってる訳です。
そうなると、652との繫がりも見えます。
玉主=駿河麻呂 玉=二嬢 玉というべき下の娘は授けちまって、さあともかく、
私ゃ枕とふたりづれで寝るとしますかね、

いやあ、いくつになっても娘は娘、あはっ!

m0651.jpg