今月は朔が日曜。つーことは齋藤杏花 (さいとうあんな) の BLOG、しょっぱなから万葉噺をせねばならぬ訳なのですが、、、

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さあ、つーことで御座いましてまた、月が明けてが巡って参りました。
先ずは。

このとこよー降るねえ!
おらほう、もう何週連続、週末が雨になってるものやら。
ホント、食料日用品の買い物には苦労続き、そうなんだよ、皆御免、冷蔵庫には昨日から卵が一個もなくなってるんだワン!
今日こそ雨が上がり、全天候型愛車であちらこちら、一番安い店を探して来られないようでは、死活問題です。
ですので、覚悟決めて小止みみて決死隊で西千葉まで来ましたよ。
水も滴るいい女にはなりましたが。

さて、枕のはぼやきはここらで切り上げ、噺に行きましょう。
月初が日曜に重なった今月のカレンダーです。
日曜、つーことは万葉噺の日、でもこのとこの『マゾヒズムに花札を!』連動で6月の札から拾おうにも、まだ復元記事がなし、
っな事情で、牡丹の種札を記事アイコンにしたのですがー。
考えてみたら万葉集に牡丹の歌がある訳とも思えませんわ。
出雲国風土記に出て来るとも云われますが、それが今のボタンだったかは怪しげです。
ま、一説に拠れば、聖武天皇の頃輸入されたとされますが、はっきり文字で記されるのは枕草子、つまりは平安中期以降ですので。

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じゃ、もう一つのパーツ・蝶々は?
んでー調べてみるに。
なんと、なんと意外な事に万葉集には蝶を詠んだ歌も、一首もなかったのです。
辛うじて序の部分に蝶が登場する歌はありますが。
ああ、既出の巻五815ですわ。
ほら、例の令和の語源の。
ともかく他にないのなら、重複でも仕方ない、再掲しましょう。

先ずは蝶々の登場する序の部分です。

天平二年正月十三日、萃于帥老之宅、申宴會也。于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾蓋、夕岫結霧、鳥封縠而迷林。庭舞新蝶、空歸故鴈。於是蓋天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放、快然自足。若非翰苑、何以攄情。請紀落梅之篇。古今夫何異矣。宜賦園梅聊成短詠。


これを読み下せば、
天平二年正月十三日に、帥の老の宅に萃まりて、宴會を申きき。時に、初春の令月にして、氣淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫ず。加以、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥は縠に封めらえて林に迷ふ。庭には新蝶舞ひ、空には故鴈歸る。是に天を蓋とし地を座とし、膝を促け觴を飛ばす。言を一室の裏に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然に自ら放にし、快然に自ら足る。若し翰苑あらぬときには、何を以ちてか情を攄べむ。請ふ落梅の篇を紀さむ。古と今と夫れ何そ異ならむ。園の梅を賦して聊かに短詠を成す宜し。


となります。

んで歌。

正月立ち 春の來らば 斯くしこそ 梅を招きつつ 樂しき終へめ


作者は大弐紀卿、一説に拠れば紀男人ってことでしたね。
お粗末様、季節感出した積りが完全に季節はずれになってしまいました。
明日以降の記事に期待して下さい。
そうそう。

6月は今日始まったばかり、あはっ!

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