大河べらぼう・第17回に描かれた蔦屋重三郎のマーケティング戦略に、血沸き肉躍らせてる『ボキの筆をとり世界を築く』学部出身者・私学定番学部ながら国公立では稀有な学部OGの齋藤杏花(さいとうあんな)です

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えっと、世間は今日までお休みのようでして、はい。
けどまあ、おらほう、天気予報に拠れば後の時間は雨になりそうとか。
ま、連休疲れなるものを残さない為には却って好都合、ニュース天気予報が申しておりました。

さて噺は、昨日チラリ言いかけた某国営放送今年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第17回・乱れ咲き往来の桜の話題です。
どうやら、作者的は今回を第2部の始めとしかたったようでした。
また先週一回休みを挟んだ事からすれば、番組制作的にもその意図のようです。
うん、確かに懐かしい人が何人か再登場しましたよ。
ほれ、冒頭画像の九郎助稲荷なんか。
SNS覗くに今回は、初回の時ほどの突き上げはなかったようで。
時たまお茶目やらせるのもいい、と概ね好評。
稲荷(本体)ではない、眷属のキツネ、という自己申告のよう、町娘姿での闖入でした。

それと。
小田新之助は百姓髷になって。ある意味回のキーパーソンですのであとから話します。
あとは、かをりが誰袖にランクアップして。
どうやら今後の女郎代表になるようですねえ。
そうなると話の転機?
次回に愈愈唐丸が歌麿になって再登場の模様、第五回以来ぷっつり切れていたその存在が俎上にあがったことからして明白です。
けどね。
やっぱ私的には、瀬川が吉原去ったところが第一部の終わりに思えてならないのですわ。
やっぱ、源内瀬川 です。

んで一昨日の回の、私としての注目点です。
なんてったって、またしても蔦重のマーケティング戦略ですよ。
『ボキの筆をとり世界を築く』学部出身者の習性ですわ、それも私学定番学部ながら国公立では稀有な学部OGの、もう性といってもいいかもしれませんね。
老舗本屋たちの妨害をことごとに逆手にとる、主人公蔦屋重三郎に、血沸き肉踊りました。

先ず出だしは16回の続きからで、芝居の中でさりげなく店名を出すって戦略が大当たりのことからです。
こうなると前にも実践してきたように、市中に出回ってないって事が逆にセールスポイントになって商品を価値をあげます。
それによって既存勢力は足元に火が付きました。
そこでやったのが、彫師に圧力掛け本を刷れなくする作戦でした。
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ここで新之助との再会が意味を持ちます。
往来物の販路が江戸府内から外は未だほぼ処女地…
初等教育用の教科書の販路が開ければ、安定収入が得られる事に気付いた重三郎は強気に出て、お目当ての彫師を逆に独占してしまうのです。
その点は敵もいち早く気付いて販路を押えるべく先手を打ちますが、蔦重の視点は端から江戸市中にはありませんでした。
協力者である吉原親父衆の伝で、片端から田舎大尽に接触しセールスを掛けます。
熱心に取材を掛け話術で引きこんでいく…
けど重三の真の狙いは他のとこにありました。
得意先を生産ラインに組み込み商品に愛着持たせる事だったんですよ。
現代でいうとこなら、TVの視聴者参加番組みたいな、あの戦略ですわ。
老舗本屋がそれに気付いた時にはとき既に遅し、既に地方を押えた蔦屋に逆方向で江戸市中をなし崩しにされたのでした。
ここまで来ては鶴屋喜右衛門の顔からは、トレードマークの薄ら笑いは完全に消え去りました。
あとそれから。
あのシーンで萎れてた丸屋小兵衛こそが、M&Aで日本橋通油町・耕書堂に大化けする以前の書店なのです。

そして日本地図に朱で印を書き入れて戦略を練る蔦重の姿…
大河定番の国盗物語を髣髴させられますね、
そうそう、ボキを~の出身者にすれば、これこそが国取りそのものなんです。
前作の『光る君へ』は戦皆無にみえて、ちゃっかり終盤に「合戦じゃ~!」の台詞が入りました。

今年こそ某国営大河、血を見ない国盗物語が描かれそうです。

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------------------------------【当日追記】----------------------------------

『ボキの筆をとり世界を築く』学部出身者・私学定番学部ながら国公立では稀有な学部OGの面子に掛けて、蔦重経営学をもう少し掘り下げてみましょう。

全くの素人の参入でなく、他の事業から入りこみ大いに繁盛させた、と。
このパターンで思い出すのは、任天堂でしょう。
花札の独占的製造者ながら、それに満足せずTVゲームを手掛け世界的大企業のNINTENDOに発展させた…
「本業を捨てよ。されど本業を忘れるな」この哲学です。
蔦屋はこれとは少々ニュアンスを異にします。
確かに出発点の吉原の茶屋を使って発展はしてますけど、『本業』には戻ってません。

ならアイリスなんてのはどうだ?
うん、本業のプラスチック加工からの周辺事業への大発展ですが、『本業』の方があっぷあっぷしてて転換せざるを得なかった点が、立派なお茶屋持ってた蔦屋とは趣を異にします。
同様に、本業があっぷあっぷからの脱出、伝統の斜陽産業を捨ててて全くの異事業に出たトヨタや別軽工業に走ったカネボウあたりとも違ったパターンといえましょう。

ここで思い出したのは…

少々ツブは小さくなりますが、バブルの頃に華々しく出た立体駐車場のパターンです。
あれって、大概が鉄鋼二次からの転身なんですわ。
成程伝統産業で潰れることはないだろう、けどもう少し大きく出るには…
これこそ茶屋の伝から周辺の新産業である書肆へと大発展させた経緯とよく似てると思料します。

さて、この加筆をしたとこでタイトルは大幅に改題してまみした。
ん?アイコン画像はそのままでいいのか?とな?
はい、構いません。

お稲荷さんは商売繁盛の神様、あはっ!

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