どうもこのとこの万葉噺は、花札と結びつけてネタを拾ってますよえ。それも苦しかるまい、つーことで4月最終週はホトトギスの歌です
天下御免の専業主婦・齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 齋藤杏花facebook Facebook 万葉集 万葉の人々 万葉のこころ 犬養孝 沙彌 あしひきの 山霍公鳥 汝が鳴けば 家なる妹し 常に偲ほゆ もののふの 石瀬の社の 霍公鳥 今しも鳴きぬ 山の常蔭に 刀理宣令 霍公鳥 來鳴き響もす 卯の花の 伴にや來しと 問はましものを 石上堅魚 橘の 花散る里の 霍公鳥 片戀しつつ 鳴く日しそ多き 大伴旅人 ホトトギス 卯の花

さて、今年もまた、ニュースがバカみてえに「大型連休、大型連休!」と連呼する時期に突入したようでしてねえ。
一昨日あたりから、とみに騒がしくなってますわ。
ま、何と聞かされても天下御免の専業主婦・齋藤杏花 (さいとうあんな)は、365日同じ事をやってる人なのでピンと来ませんがね。
そうそう、普段の曜日の感覚すらとうの昔に雲散霧消してまってるくらいでしてね。
な訳もありまして、『万葉噺の投稿をする日』って事で世間のお休みを認識してる次第であります。
とは言うもので御座いますよ。
このBLOGも実質稼動から5年を優に過ぎてる状況でございますから、随分前から万葉ネタも聊か品切れ気味でしてねえ。
そこで考え付いたのが、このとこの『花札連動』で御座いますわ。
春の花に夏の鳥の四月…
ま、月最終ですので、夏の鳥を挙げるに、然したる不自然もないものかと考えましてね。
万葉集にはそれは多くの歌の登場するホトトギスの未済を拾ってみようと思いまして、はい。
巻八の、夏の雑歌の章に、ちまちま出て来るのを挙げるとしましょう。
先ずは1469、沙彌の霍公鳥の歌一首から。
あしひきの 山霍公鳥 汝が鳴けば 家なる妹し 常に偲ほゆ
沙彌とは、仏門に入って十戒を受けたばかりの僧ことであり、固有名詞ではありません。
つまりは、この一目瞭然ならぬ一読瞭然の歌は、作者不詳の歌と言っていいでしょう。
続く1470もまた、ホトトギスの歌です。
もののふの 石瀬の社の 霍公鳥 今しも鳴きぬ 山の常蔭に
作者は刀理宣令、懐風藻・経国集に作品があることからして漢字に優れていたものと推測され、恐らくは帰化人なんでしょう。
石瀬の社は大和の国である事だけは確かですが、具体的な場所に関しては諸説紛々としてます。
常蔭=トカゲ です。
ひとつ置いた1472にもホトトギスが登場します。
霍公鳥 來鳴き響もす 卯の花の 伴にや來しと 問はましものを
出ましたねえ、卯 (ウツギ) の花。
現代の唱歌でも歌われてるとおり、ホトトギスとは付き物のようです。
この歌には、長い左注が付いており、大宰師の大伴旅人の妻の大伴郎女が神亀五年戊辰に没した折、式部大輔石上朝臣堅魚朝臣が朝廷の弔問使として訪がった折に詠んだ歌と記されます。
「もし奥方が存命なら、『ホトトギスと仲良しのウツギの花と共にやってきたの?』と聞かれたであろうに…」
続く1473の旅人の返歌から、推察できます。
橘の 花散る里の 霍公鳥 片戀しつつ 鳴く日しそ多き
相棒が居なくなっちまったホトトギスが独り鳴く日が多い…
つまり旅人は我が身をホトトギスに投影させて、堅魚の問いに返したと言うわけです。
本日はここまで。
それではお出かけの皆さん、精精羽を伸ばして来て下さい。
いくら自分がデブしょーでも、私、人の外出にケチは付けませんことよ、けど…
海外に出た人達は、そのまま帰って来ないで!、とはいいますけどね、あはっ!