『マゾヒズムに花札を!』復刻記事に見せかけた本稿。実は違います。ちゃんと正統派の万葉噺になってますので、お読みになって下さい
マゾヒズムに花札を! 万葉集 万葉の人々 万葉のこころ 犬養孝 花札 ホトトギス 藤 - 4月 齋藤杏花facebook Facebook 大伴四綱 藤波の 花は盛りに なりにけり 平城の都を 思ほすや君 須磨の海人の 鹽焼き衣の 藤衣 間遠にしあれば いまだ着なれず 譬喩歌 大網公人 太宰帥・大伴旅人 フジ 藤棚 ハチが飛んできて叶わん

さて、アイコン画像はこんなのですが、本稿は『マゾヒズムに花札を!』復刻記事ではありません。
慣例に従い例の如くに、日曜万葉噺としとう存じます。
そうなんだ、花札4月の藤といえば、種札のホトトギスがセット。
万葉集にはホトトギスの歌があまたあるも、何故か4月って気がしないっス。
さもありなん、ホトトギスっちゃ初夏の鳥ですから、まだ時期早ですわ。
そこで、先ずはフジの歌を拾ってみようって作戦です。
フジの歌も結構ありますよ。
早い順で先ずは、こんなのは如何です?
巻三に、防人司佑大伴四綱の歌二首というのがあり、その後の方の330に藤が出てきます。
藤波の 花は盛りに なりにけり 平城の都を 思ほすや君
大伴四綱というのは肩書どおり防人府の下級役人、上官である太宰帥・大伴旅人に「平城=奈良の都を思い出しますね」と贈った歌になります。
同じ巻三でも少し後方の譬喩歌の段にある、大網公人主の413は少々毛色が違った形で藤が登場します。
須磨の海人の 鹽焼き衣の 藤衣 間遠にしあれば いまだ着なれず
後世にも歌枕となった須磨は塩の生産で知られます。
その須磨で海人が塩焼きの時に着る、藤の繊維で作った着物は目が粗く、中々汚れが付かない、と。
つまりは、目が粗い事に縁遠い事を暗示し、なじむに慣れるを掛けてる、
会う機会が間遠であるから、あの娘ちゃん、中々ボクちんと親密にならないなあ!と歌ってる訳です。
大網公人は伝不詳、330は宴会の折に詠まれた歌です。
さてまあ、フジの花に戻してサゲに掛かるなら。
我が家自慢の庭には、松の隣に梅が植わっており、またその隣には過日、桜を植えました。
んで、そうなれば、と、出てくる発想は、今度は藤棚ですよ!
話の折に、それ出したら、いつもの誰かさんに、一発で却下されました。
なんと、昔、全く同じ話が持ち上がったんだようですよ、
けどフジだけは絶対まかりならん!と。
何故かというなら、ハチが飛んできて叶わんから、だそうな、あはっ!