花の噺ですが、アイコン画像の花ではありません。とー、久々謎掛けめいたタイトル付けてみる

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先ずは何はともあれです。
鳥の喰われて壊滅状態になってしまったボケ
地面ギリギリのとこに微かに残ってるものが花開いてんで、写真の納めときました。
一昨年までは、これがねえ。
高さ2mはある巨木いっぱいについてたんですよ。
いくら繰り言言っても言い尽くせない無念さを、こうして残しておきます。

成程天気予報どおり、暖かくなってきましたねえ。
こう云うときは地球温暖化っていわない、っと、減らず口路線はやめときまして、所謂サクラ、ソメイヨシノの開花発表が待たれる時期となりました。
今日は日曜で万葉噺の日、サクラの歌をやりましょう。

ここのとこ噺してた吉野で、万葉集には花の吉野、サクラの吉野の歌は一首もない旨強調してきましたよね。
では、万葉集にはサクラの歌はないのかというなら、とんでも発奮、歩いて十分で御座います。
今までそれも云いましたか?そうですよね、先月やった『梅花歌三十二首并序』にも幾つか、
「ウメは咲いたか サクラはまだかいな」的な歌がありました。
さあ今日は今まででやったことのない歌を見繕いましょう。

こんなのはどうでしょう?
巻八1429-1430に 櫻の花の歌一首 短歌を并せたり の長歌反歌があります。

孃子らが 挿頭のために 遊土の 鬘のためと 敷き坐せる 國のはたてに 咲きにける 櫻の花の にほひはもあなに
反歌
去年の春 逢へりし君に 戀ひにてし櫻の花は 迎へけらしも


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遊土=ミヤビヲ、風雅の士ってことですね。孃子=ヲトメとの対句になります。
敷き"ふせる"と敬語使ってるとこからすれば、明示されてない主語は大君でしょう。
にほひ は、smellでなく色彩の方。
最後もうひとつ、あなに は古事記にも例のある感動詞です。

反歌ですが、とありますよねえ。
そうなると、この歌は女性視点ということですね。
後先ながら、左注に、
右の二首は、若宮年魚麻呂誦めり
とあります。
この若宮年魚麻呂ってのは当然♂、そして 詠めり でなく、誦めり とあります。

つまりは、1429-1430は作者未詳の歌を、歌人・若宮年魚麻呂が口誦した、って事になりましょう。

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