さあて、今日は3月第一日曜日。如何なる万葉噺を致しましょうか?

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宿りして 春の山辺に 寝たる夜は 夢の内にも 花ぞ散りける


ん? (タイトル) と称して藪から棒に、古今の貫之なんぞを。
これは如何した事でしょう?
答えは、冒頭の画像にあります。

ジャンジャジャーン!
手ごろなサクラの苗木を見つけたもんで、早速に家に連れて来て植樹したって次第です。
場所的には、本庭のマツとウメの間辺りに。
ね?松葉に覆われてるっしょ?
これで来る将来、立体花札の三光完成!
と、その苗木の商品タグに印刷されたのが、かの貫之の歌なんです。
はい、古典に於いて単に花といえば桜花を指すのでした。

んで、何てサクラ?御衣黄桜。
不見識で知りませんでした、これ、黄桜じゃないんですね。
御衣黄 (=ギョイコウ) 桜なんですわ。
ほら、ソメイヨシノより遅れて、うすきみどりの花つけるの、あれですわ。
いえね、ウチの子は桃色系が多いもんで白がいっかなんて、選んできたんですが。
今のとこ陽が遮られてるのが気掛かりですが、なんとか無事に根付いて育ってもらいたいものです。

さあて、この流れから万葉に、どうもってくか?
吉野に繫がれば理想なんですが。そうそう花札の短冊文字も「みよしの」だし。
けど如何ながら、万葉集にはサクラの吉野は一首も出てこない、繰り返し言ってるよう、吉野のサクラは後世の事で、当時はなかったものと思料します。
はて…
此処で思い出すべきは、今某国営放送で再放送中のアニメ『火の鳥』ですわ。
ちょうど今やってる『太陽編』が、大海人皇子が吉野で挙兵しようとしてるとこでね。
よし!これで繫げましょう。
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み吉野の 耳我の嶺に 時なくぞ 雪は降りける 間無くぞ 雨は雫りける その雪の 時なきが如 その雨の 間なきが如 隈もおちず 思ひつつぞこし その山道を

巻一25は、題詞に『天皇御製歌』とあります。
つまり、天武天皇が吉野行幸して、将に上で言った、あの壬申の折に大海人皇子として挙兵した、その時を懐かしく回想してるって歌ですよねえ。
非常に素直で、しっくり感性に飛び込んでくる歌です。

さて大海人というなら、その前の21番歌に、かの有名な『紫草の~』がありますよね。
これは文句なしに皇子時代の作、作なんですが…
どうも齋藤杏花(さいとうあんな)は、こっちはしっくり来ません。
出来すぎだもん!

ずばり25番は、私は、後世の作り話と思料します。

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