今年の大河は大当たり!『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は実に面白いドラマです。時代劇=現代劇、将に現代を写した鏡というカンジです

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さあて、昨日の投稿時点ではみてなかった、大相撲初場所千秋楽と某国営放送大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第四回・ 『雛形若菜』の甘い罠(わな)
稿を起こしてる今時点では当然みておりますですよ。
んな訳ですから、遅ればせながら、といい訳して噺しだすとこですが。
ちょっと待った!でしてね。
考えてみれば、大相撲の番付編成会議があるのは場所直後の水曜、ってことで明日で御座います。
ならば、どの道気抜けサイダーのお相撲ネタは、明日回し、今日は大河噺をするとしましょう。

いやホント、今年のは面白いわ!記憶にある限り最高ですね。
背景も脚本も、そして登場人物一人ひとり、どれも目に入れても痛くない程"かわゆい"奴等で、なにを噺したらいいものかと迷ってしまいます。
誰だよ、誰?#大河ドラマべらぼうの打ち切りを求めます だなどとほざく亡八は!おっと、これは後からゆっくりいいましょう。
本稿ではストーリーの2箇所に絞って掘り下げようと思います。

中間管理職の悲哀と労働搾取率の問題…
ストーリーの時系列からすれば逆順になるのですが。
先ずは、この回を一言で言うなら、第三回の逆、ビギナーズラックで望外の大成功をした主人公蔦重の出版業第二段が、その煽りもあって大失敗に終わるって話でしたよね。
否、失敗は違うか、成功するにはするのですが、とてつもない大どんでん返しで、最後、ものの見事に填められてたことが判明し、トンビに油揚さらわれるのです。
当然、重三はぶちきれますよ。一から十までオレにやらせ、肝心なとこでよってたかって梯子を外し…
でもね、実際の勤めをしたことのある家族の者にいわせれば、これが現代の企業そのものと口を揃えてました。
いつもの誰かさんね。
昔の事を思い出さされて、急にふさぎ込んだりして…
あ、昼に4Kで視た齋藤杏花(さいとうあんな)から訊いて、ならば一緒に視てみるかって本放送を一緒したんです。

言わせればお話でまだ甘いって。
ほら、亡八親父様方、流石に蔦重を気の毒がってか、いつものように怒鳴ったり叩いたりしなかったじゃないですか。
これが現代リアルの実務ということなら、間違いなくここを先途といいだしっぺをひとり悪者に仕立て、集団リンチにして対外の機嫌を取り結ぶが相場、とのことでした。
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そもそも出だしの部分の対女郎で、その手法がありましたよ。
金は俺たちがと吹いて、実は女郎に出させ出すどころか逆にはね、更には不満は全部重三に向くように仕立てる、と。
これが、現代企業における定番人事管理とか。
勤め人の世界では、芸は身を助く、どころが身を滅ぼす、
これを強調したのが、実際にお勤め経験のあるお義姉ちゃん (其の壱) です。
うん、オープニング前にさりげなくも重要な事が早々提示されてましたね。
搾取に関してだったら守備範囲に入る、勤め人経験なしの不肖私でも噺すことができます。

労働搾取率ねえ。
近年さっぱり流行らなくなりましたね。
何故なら、マル経、マルクス経済学自体がいつの間にか消えてしまいましたから。
中には、公租公課負担率を持ち出して、5割になったから五公五民などど、突拍子もない多重大間違いを平然と口にする無責任な輩さえ跋扈する始末です。
先ずはこれって民主主義の世に為政者を作ろうとしてるのが大間違いです。
民主主義ってのは民が主人ですから、政府に搾取されるなんてありえない、政府なんてのは自分自身、右手の金を左手に持ち替えてるってだけの話です。
経済主体は政府も個人と同一の括り、そう、個人の労働力と法人の賃金との交換っこ、経済ってのは個人(労働者)と法人(資本家)のトゥーメンズゲームなんですよ。
その点を正しく理解したなら、現代の労働者の本当の搾取率が5割なんて生易しい数値に収まるわけがないと気付く事でしょう。

昔、ほんのちょっと前までは、生活給という賃金体系が堂々まかりとおってました。
あ、自分は生活するのにこれだけの金がかかるから、賃金としてその額を払ってくれって条件での労働契約…
すっかり鬼畜米英に洗脳され、能力給だ実績給だってのをいいものだと信じ込まされるようになった、現代日本の労働者にすれば神話の世界、神代の話にしか思えないでしょうね。
しかも、そもそも月給取などという労働形態は、むしろ異端のものだったんです。
昔はね、どの店屋、ほんのちっぽけな個人商店にさえも、おにいさんて呼ばれる店員がいましたよ。
店主にすれば、住ませ着せて食わせて、就学望むなら夜学にも通わせてやり、年頃になったら嫁の世話し、最終的には独立させてやる…
人一人にいくら掛かったと思います?
今現在、張り紙ひとつすれば玉銭で使える労働力が簡単に手に入る、それと比べればそれここそ神話伝承の世界でしょうね。
その状況で労働搾取率を推測して御覧なさい、といってる訳です。

なんだか103万の壁だか、その他ウン万の壁とかで相変わらず喧しいとこで御座いまして。
そして、その話に先鞭つけた泡沫政党が、世の救世主扱いされてる始末です。
でも、落ち着いて考えてみてくださいな、これってちっとも労働者寄りではないですよ。
とてつもなく安い賃金で人をこき使い、企業サイドに利を齎すだけの施策です。
手取り増なんて甘言に、何で騙されるのでしょうかねえ。

ここで話を大河べらぼうに戻して、このドラマを批判する連中に物申します。
吉原が人身売買の美化?何を不見識な!の一言ですわ。
現代人こそが甘言の元に踊らされて、自らを女郎に売って歩いてる存在じゃないですか。
しかも、労働相場がかくも著しいダンピングの一途で、恒常的な供給過剰に陥っており、自ら積極的に女郎にしてくれと頭を下げさせられてる始末なんです。
それを否定してあくまでも現代労働市場を天国のようなものとほざくのは、よっぽどの変わり者か狂人くらいしかないでしょうね。
あ、あとカルトの洗脳か、自己洗脳しちまってます。

以上雑記でなく、言論批判のカテゴリで噺しました。時代劇は現代劇、、、

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