思えば日本列島は南北に細長く、今現在大雪に見舞われてる所もあるみたいですね。そうだよ、先週令和七年の初万葉噺は雪掻きの歌だったんだわ
万葉集 万葉のこころ 万葉の人々 犬養孝 駄バラ3きょうだい 冬薔薇 雪掻き 元正天皇 天の下 すでに覆ひて 降る雪の 光りを見れば 貴くもあるか 橘諸兄 降る雪の 白髪までに 大君に 仕へまつれば 貴くもあるか 大伴家持 大宮の 内にも外にも 光るまで 降れる白雪 見れど飽かぬかも 山の狭 其處とも見えず 一昨日も 昨日も今日も 雪の降れれば 紀清人 紀男梶 齋藤杏花facebook Facebook
…うーん、天辺が切れちまったか、、、
あ、駄バラ3きょうだい中の真紅・冬薔薇verが開きましたんで公開です。
開いたいいいけど、反対向きになっちまったんで塀のブロックに腕を置いて目瞑ってシャッター切ったとこです。
ま、冬薔薇ですから中々散る事もないでしょうから、また機会見て撮る事とします。
さあて、この写真みてもお分かりの通り、おらっとこはお天気続き、あ、撮影した昨日までは少なくてもね、なんですが。
がー、で御座います。
同じ日本でも、大雪に見舞われてにっちもさっちもいかなくなってる地方もあるようですね。
ニュースで画像を見るにつけ、無責任ながらもお気の毒にとは思うんですが。
ま、私がなんかいってもどうなるもんでもありませんから、そのままで流します。
そういや、雪掻きでしたわ。先週の噺は将にそれでしたね。
えー、
十八年の正月、白雪多に降りて、地に積むこと数寸なり。と、巻十七の3922から始まる5連作のうちの1首を紹介しました。
時に、左大臣橘卿、大納言藤原豊成朝臣と諸王臣等とを率て、太上天皇の御在所[中宮西院]に参入りて、掃雪に供へ奉りき。
ここに詔を降して、大臣参議と諸王とは、大殿の上に侍らしめ、諸卿大夫は南の細殿に侍したまひて、酒を賜ひて肆宴したまふ。
勅して曰はく「汝諸王卿等、聊かに此の雪を賦して各々その歌を奏せ」とのりたまふ。
今日は残りの4首を一気にやっちまおうって作戦です。
まあ大和も、雪に関してはおらっとこと同じ、滅多に降りませんから、746年1月の突如のどか雪にさぞや魂消たことでしょう。
そこで主たるメンバー総出で雪掻き、と。
そして終わった後に、自身も優れた歌人だった元正天皇の命で次々歌を読んだ…
此のとき既に元正さんは退位してますから太上天皇、上皇ってことですね。
そうだ、先週の天平十八年の西暦、10年間違えてたわ、気付いたので直しときました。
行きましょう、先ずは口切の3922、橘諸兄の歌から。
降る雪の 白髪までに 大君に 仕へまつれば 貴くもあるか
よくみてみれば、これ、2度目だわ。
こらまった、解りやすいよいしょ、もう解説は不要でしょう。
続く、3923紀清人、3924紀男梶もわかりやすいので、どんと出しちまいましょう。
天の下 すでに覆ひて 降る雪の 光りを見れば 貴くもあるか
山の狭 其處とも見えず 一昨日も 昨日も今日も 雪の降れれば
山の狭 其處とも見えず 一昨日も 昨日も今日も 雪の降れれば
そうねえ、二首纏めても狭の読み仮名、カヒを降っておけば十分でしょう。
参考までに、山梨県の甲斐は元々は当て字、この山と山の間を意味する"カイ"だったとも聞きます。
そして既報の3925が入り、そして同じくその折触れた、3926大伴家持で連作の〆となります。
大宮の 内にも外にも 光るまで 降れる白雪 見れど飽かぬかも
ねえ、なんか皆似たような感じで、齋藤杏花 (さいとうあんな)が纏めてすっと噺しちまった訳もなんとなくお感じいただけたと思います。
んで、この3926の後ろに5首全部を統括すると思われる左注があります。
藤原豊成朝臣、巨勢奈弖麻呂朝臣、つまり、はええ話がー、
大伴牛養宿祢、藤原仲麻呂朝臣、
三原王、智奴王、
船王、邑知王、
小田王、林王、
穂積朝臣老、小田朝臣諸人、
小野朝臣綱手、高橋朝臣国足、
太朝臣徳太理、高丘連河内、
秦忌寸朝元、楢原造東人。
右の件の王卿等、詔に応へて歌を作り、次に依りて奏しき。登時その歌を記さずして漏失せり。
ただ秦忌寸朝元は、左大臣橘卿謔れて云はく「歌を賦するに堪へずは麝を以ちて贖へ」といへり。これに因りて黙已をりき。
他にも大勢詠んだけど書き漏らした、との言い訳、あはっ!