雨上がりと日照りと (マゾヒズムに花札を!より) ~ 『新暦の、しかも9月の15日ではしかたないでしょうけど』
雨上がりと日照りと マゾヒズムに花札を! 新暦の、しかも9月の15日ではしかたないでしょうけど 神無月晦日 木星 金星 土星 柳 - 11月 八木原亜麻 后笄 嫦娥 李商隱 北京の拳固 雲母屏風燭影深 長河漸落暁星沈 嫦娥応悔偸霊薬 碧海青天夜夜心 西遊記 猪八戒 天蓬元帥 齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 新藤恵美

今日は11月末日、奇しくも新旧両暦が丁度一ヶ月遅れとなったとあって、旧神無月晦日でもあります。
つーことで、折角の好天気に残念ながら、お月は観られないというわけです。
その代り、ってことでございまして、お星は見頃、西の空に宵の明星が見られた、そのすぐ後からは東に木星が昇ってまいりまして。
地上用カメラでしかも下手糞にも、撮影することができます。
右が金星、左が木星です。
間に土星も観る事はできるのですが、流石に撮影は不能、つーことで、冒頭の如くなりました。
さて、このとこ話題満載で、投稿に力が入ってますねえ。
少し時間取られすぎってことで、月末の今日は手を抜きます。
『マゾヒズムに花札を!』からどうしても今日がタイムリミットの 柳 - 11月 から見繕いましょう。
雨上がりと日照りと2006年11月16日 16時56分17秒 | 柳 - 11月そうそう、もうひとつです。
11月・柳(雨)には2種類の動物が登場しますよねえ。
20点札の蛙と10点札の燕、例外的です。
そして、この例外が出来た原因は、明治になって光札の図柄を変えた(元々は番傘だった)ため、話してきました。
今日は、言わば花札新メンバーである蛙の話です。
気持ち悪い姿ながら、どことなく愛嬌があって可愛らしくもある。
僕は好きなほうですね。
それこそ雨の翌日です。
垣根の竹筒のてっぺんに一匹ずつ、小さな青い蛙が入っていて。
ご幼少の頃の僕は、それを観るのが好きで雨を期待したものでしたっけ。
キングサイズの蛙と言えば、ガマですか?
人間を背中に乗せるくらいの大きい。
いやいや、まだまだ「ちいせえ、ちいせえ」
お隣の国・中国の伝説によれば、なんと、月面の大きさ相当の蛙がいるということに。
日本では、月の中でうさぎが餅をついているんですよね。
これが、お隣の国ではヒキガエルがいるってことになっているのです。
まあ、月面の模様が何に見えるかってことなんですけど、これには以下のような逸話があります。
ということで、芒 - 8月 カテゴリ、十五夜お月様の続きの始まり、始まり。
中国の神話。
天の神様、天帝ってのがいるアレななんですけど、あまり知られていないですよねえ。
兎も角、その神話の中に、弓の達人・后笄って人、うーん神かな? がいるんです。
その妻が嫦娥と言いまして、彼女がこのお話のヒロインです。
昔、昔、そのまた昔のある日のこと、突如10の太陽が一度に空に現れたことがありました。当然のこと、大地は荒れ果て海は干上がり、人々は暮らしを立てることすらできなくなりますよねえ。
そこで、后笄の出番…、でいいんですけど、少し前提を話しておかなければならないでしょう。
中国神話における太陽ってのは、天帝の息子たちなんですよねえ。金の烏の姿をしているとも。
日本神話では、ご存知テンテルダイシンで主神である女性神が太陽なんですけど、近くても大分差があるようです。
おっと、息子"たち"と言いました。そうなんです、十人の息子たちが十日一勤の交代勤務をする約定となっていたのですけど、悪戯心を出していっぺんに出てきちゃったわけで。
カラスってのは悪戯好き、これは万国共通のことのようですよねえ。
さてさて話を元に戻しまして、人々の苦しみを見かねた后笄は、やむない仕儀と十本の矢を携え、太陽たちを射落としていくことになるのです。
百発百中の腕ですから、十本の矢があったら全部射落としてしまうことになる、こっそり脇から誰が一本抜いたとか。
后笄が九本の矢を放ち終わった時、天上にはたった一つの太陽だけが残り、地上は平和を取り戻しました。
めでたし、めでたし…
でもいいのですが、天帝にすればです。
九人の息子を殺されてしまったんですよねえ。
理屈では后笄が正しいことは分かる、しかし天帝とて、人の子の親、じゃないよ神…、まあ兎も角、親の情としては割り切れないものがあります。
そこで、后笄夫婦を天上から下界へと追放してしまうのです。
ということで、人間界に落とされた后笄&嫦娥夫婦の、天上界復帰のための苦闘が始まるわけです。
幾星霜、夫婦は西の果に住まう西王母をおとがいます。
この西王母は天帝の娘である仙女とも、或いは母である異形の女神とも。ここでは圧倒的に後者なんですけど。
感じ入った西王母は夫婦に霊薬を与えます。効能書は、こう。
「一人でこれを全部飲めば天に戻ることができる。半分ならば(天上に戻れないものの、天上人と同じ)不老不死になれる」
后笄は一人で飲むことなど微塵も考えませんでした。
嫦娥と分け合って、いつまでも二人仲良く暮らそう、としたのです。
彼女も同意したのですが、
が、なんですよ。
やはり、天界での華やかな生活が恋しくてなりません。
邪心に取り付かれた嫦娥は、夫の留守の日に一人でこれを飲んでしまうのです。
西王母の言葉どおり、彼女は天界を目指してどんどん上っていきます。
と、月のあたりをとおりかかったところで、その身体に異変が。
夫を裏切った報いで嫦娥は醜いヒキガエルの姿になってしまうのです。
そして、そのまま月へと引き付けられ、取り込まれることになったのでした。
中国4000年の歴史、シナニャシオクノタミガイル、ってことで、この神話も色々なバージョンがあるようです。
が、私が読んだのは、これです。
そうそう、テーマにした詩もありますよね。
李商隱「嫦娥」
雲母の屏風、燭影沈む。
長河漸く落ちて、暁星沈む。
嫦娥は応に悔ゆるべし、霊薬を偸みしを、
碧海、青天夜夜の心
兎も角、嫦娥が月の女神であることだけは共通のようです。
ですから、醜いヒキガエルではなく、美しい女神として描かれることもありますよ。
ねえ、それに横恋慕したのが、天の川水軍を司る天蓬元帥です。
ある晩の酒席の折、すっかり気分が大きくなった元帥は、嫦娥にセクハラをしてしまいます。
その咎により、下界に追放された天蓬元帥が落ちた先は、なんと折り悪くも雌豚の胎!
ご存知、西遊記は猪八戒のエピソードです。
ま、いずれにせよ、女にはご用心、
と、この言い回し、
↓
新暦の、しかも9月の15日ではしかたないでしょうけど 9/2加筆
を丸写ししました。
………
………
わああぁぁぁぁ!!! ミユ様! ごめんなさい! ごめんなさい!!
また、パクってしまいましたぁ!
いけない僕をイヂメて、イヂメて!
もっと、イヂメて~!!
(;`Д´)/ヽアー/ヽアー!!
ははは、いつの時代も女にはご用心ですか。
令和の世にも恋人に蹴り殺されてしまった大学生がいることでして、はい。
と、それにしてもこの稿は随分と長々と"パクられ"たもんですねえ。
パクられ元の『目指せ!! 平成の女蜀山人!』?
あったよ、ありました。
件の加筆済みのが、ちゃんと残ってました。
新暦の、しかも9月の15日ではしかたないでしょうけど2005年09月15日
十五夜望月
中庭地白樹棲鴉
冷露無声湿桂花
今夜月明人尽望
不知秋思在誰家
〈形式〉七言絶句
〈韻〉(平)麻
〈作者名〉王建(オウケン)
十五夜月を望む
中庭 地白うして 樹に鴉棲み
冷露 声無く 桂花を湿す
今夜 月明 人尽く望むも
知らず 秋思の 誰が家に在るを
お隣の国の十五夜お月さん。
やはり、その美しさはわが国と同じようですね。
そうそう。同じく中国の笑い話でこんなのがあるんですよ。
北京から郷里に帰ってきたある息子、ことあるごとに北京のことをほめるんですよ。
ある晩、父親と一緒に歩いてたところ、誰かが「今日は良い月だなあ」って言ったのが聞こえてきました。
すかさず息子「北京の月は…」、とうとう父親が怒ったんです。
「月は世界にひとつだ。なんで北京の月だけがよいものか」
と、拳固。
息子は泣きべそをかきながら、
「そんな拳固なんか珍しくないや。とうちゃんは知らないだろうけど北京の拳固は、もっともっとずっと素晴らしいんだぞ~」
「負けず嫌い」ってことね、あはっ!
-----------------------------------------------------------
閉鎖後の翌年9/2
ほぼ1年ぶりのご無沙汰、って、閉鎖後もちびちびと気がついたことを加筆している私です。
そうなんですよ。直前はこれね。
ってことで、中国の十五夜お月様の話をもう一題。
日本では、月の中でうさぎが餅をついているんですよね。
これが、お隣の国ではヒキガエルがいる、ってことになっているのです。
まあ、月面の模様が何に見えるかってことなんですけど、これには以下のような逸話があります。
中国の神話。
天の神様、天帝ってのがいるアレななんですけど、あまり知られていないですよねえ。
兎も角、その神話の中に、弓の達人・后笄って人、うーん神かな? がいるんです。
その妻が嫦娥と言いまして、彼女が本日加筆部のヒロインです。
昔、昔、そのまた昔のある日のこと、突如10の太陽が一度に空に現れたことがありました。当然のこと、大地は荒れ果て海は干上がり、人々は暮らしを立てることすらできなくなりますよねえ。
そこで、后笄の出番…、でいいんですけど、少し前提を話しておかなければならないでしょう。
中国神話における太陽ってのは、天帝の息子たちなんですよねえ。金の烏の姿をしているとも。
日本神話では、ご存知テンテルダイシンで主神である女性神が太陽なんですけど、近くても大分差があるようです。
おっと、息子"たち"と言いました。そうなんです、十人の息子たちが十日一勤の交代勤務をする約定となっていたのですけど、悪戯心を出していっぺんに出てきちゃったわけで。
カラスってのは悪戯好き、これは万国共通のことのようですよねえ。
さてさて話を元に戻しまして、人々の苦しみを見かねた后笄は、やむない仕儀と十本の矢を携え、太陽たちを射落としていくことになるのです。
百発百中の腕ですから、十本の矢があったら全部射落としてしまうことになる、こっそり脇から誰が一本抜いたとか。
后笄が九本の矢を放ち終わった時、天上にはたった一つの太陽だけが残り、地上は平和を取り戻しました。
めでたし、めでたし…
でもいいのですが、天帝にすればです。
九人の息子を殺されてしまったんですよねえ。
理屈では后笄が正しいことは分かる、しかし天帝とて、人の子の親、じゃないよ神…、まあ兎も角、親の情としては割り切れないものがあります。
そこで、后笄夫婦を天上から下界へと追放してしまうのです。
ということで、人間界に落とされた后笄&嫦娥夫婦の、天上界復帰のための苦闘が始まるわけです。
幾星霜、夫婦は西の果に住まう西王母をおとがいます。
この西王母は天帝の娘である仙女とも、或いは母である異形の女神とも。ここでは圧倒的に後者なんですけど。
感じ入った西王母は夫婦に霊薬を与えます。効能書は、こう。
「一人でこれを全部飲めば天に戻ることができる。半分ならば(天上に戻れないものの、天上人と同じ)不老不死になれる」
后笄は一人で飲むことなど微塵も考えませんでした。
嫦娥と分け合って、いつまでも二人仲良く暮らそう、としたのです。
彼女も同意したのですが、
が、なんですよ。
やはり、天界での華やかな生活が恋しくてなりません。
邪心に取り付かれた嫦娥は、夫の留守の日に一人でこれを飲んでしまうのです。
西王母の言葉どおり、彼女は天界を目指してどんどん上っていきます。
と、月のあたりをとおりかかったところで、その身体に異変が。
夫を裏切った報いで嫦娥は醜いヒキガエルの姿になってしまうのです。
そして、そのまま月へと引き付けられ、取り込まれることになったのでした。
中国4000年の歴史、シナニャシオクノタミガイル、ってことで、この神話も色々なバージョンがあるようです。
が、私が読んだのは、これです。
そうそう、テーマにした詩もありますよね。
李商隱「嫦娥」
雲母屏風燭影深
長河漸落暁星沈
嫦娥応悔偸霊薬
碧海青天夜夜心
雲母の屏風、燭影沈む。
長河漸く落ちて、暁星沈む。
嫦娥は応に悔ゆるべし、霊薬を偸みしを、
碧海、青天夜夜の心
兎も角、嫦娥が月の女神であることだけは共通のようです。
ですから、醜いヒキガエルではなく、美しい女神として描かれることもありますよ。
ねえ、それに横恋慕したのが、天の川水軍を司る天蓬元帥です。
ある晩の酒席の折、すっかり気分が大きくなった元帥は、嫦娥にセクハラをしてしまいます。
その咎により、下界に追放された天蓬元帥が落ちた先は、なんと折り悪くも雌豚の胎!
ご存知、西遊記は猪八戒のエピソードです。
ま、いずれにせよ、です。
女にはご用心ってことね、あはっ!
思えばJK時代の私こと齋藤杏花 (さいとうあんな)の中の人は、随分と漢書漢籍に拘ってたんですね。
