大相撲解説者・北の富士勝昭さん、逝く。此処で改めて生涯現役を考えてみる

北の富士.png
さあ、大相撲九州場所も愈愈たけなわ。
ここで、偉大なる大相撲功労者の訃報が飛び込んできました。
そうですか、勝昭さん、11/12日、場所の三日目に亡くなってたんですね。
その逝去が公表された昨日は誰ぞの涙雨か、南関東は天気の回復が遅れ、午前中は氷雨が続いてました。

故人の肩書を大相撲解説者としました、そう、私にとっての北の富士勝昭という人物は相撲中継の解説席に座ってる人です。
けどね、勿論現役時代その他の経歴を知らないわけではありません。
そして、勝昭さんって名前で呼んでるっしょ?これは北の富士って名前にはプレーボーイ横綱のダーティイメージがあるせいでしたね。
これは、野球の王貞治さんとは正反対の事例といえるでしょう。
あの方、万年最下位のダイエー監督やってる時分に、殊更にサダハル、サダハルと野次られたでしょう。
口の悪い観衆も王っていうと不可侵の大英雄ってイメージがあるもので、現役時代ついぞ呼ばれたことのない名前の方で野次りました。
戻して北の富士勝昭さんはその真逆で、ダーティイメージのある現役時代の北の富士では洒脱な解説者ってカンジにならないので、誰云うとなく勝昭さんと呼ぶようになりました。

AS20221125001060.jpg
そうですよ~
現役力士のときはそれは評判悪かった、少なくとも玉の海訃報を聞いた時の態度を見るまでは、誰一人としてよく言う人はなかったって云っても過言ではありません。
ん?半世紀以上前のフィルムがTVでも流れてるしょ?
けどね、あれは気持ちが追いついた後の映像で、最初は泣きじゃくるばかりで声を出す事すら出来なかったって事です。
色んな事を云う人が居ました。
余りに激しい乱れようだったので芝居じゃないか、内心これでオレの天下とほくそ笑んでるんじゃないかなどと、怪しからぬ事を言う奴さえ居ました。
そして多くの人が「(玉の海の替りに)北の富士が死ねばよかったんだ」と平気で口にしました。
…本人も含めて。
その人柄に引かれ、徐々にファンも出てきたそうです。
こうした、飾らぬ人柄が多くの人を呼ぶことになり、親方人生の大成功を招いたことは間違いありません。

そして繰り返しますが、解説者としての大大成功です。
思えば去年の3月から『休場中』だったんですわ。
皆知ってましたよ。もう解説に耐えられるような体力でない、と。
決して頭は耄碌してなかった、だからある意味、余計始末が悪かったんですわ。
年取って我慢が利かなくなってきてましたんで、放送事故が考えられましたからね。
それでも国営放送、頑固にお休みを繰り返しました。

満更商売目的ばかりではなかったとは思います。
けどまあ、腹に一物あって生涯現役と声高になる人種に利用される恐れを考えれば、好ましくなかったですよ。
この生涯現役ってのには賛否両論がありましょう
前に云ったよう、私・齋藤杏花 (さいとうあんな)はこれには懐疑的です。
ですので勝昭さんには去年3月の時点で、すぱっと退いて欲しかったです。
昨日の中継放送では、舞の海修平さんまでを臨時出演させて「もう一度掛け合いを」などと発言させてましたが、体力的に無理させるは敬意をしめすのとは別の話…
自身が自信なくなった時点で惜しまれて引いた方があの方らしいですよ。

復帰場所で初日から連敗した時点で迷いなく引退したあの方なら。

20210706114352059252_931966c6668957202fee05448cd13569.jpg