菊の節句と秋の名月に挟まった今日の日曜日は、挽歌の話でもしときましょうか

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これならどうだ?
今からみれば一昨日の夕方、ベランダからお月が見えましたので写真に収めといたんですわ。
空の写真って随分と暗い、肉眼で見る感覚とまるっきり違って写るものと知りました。
さあ今年ももうじき秋の名月シーズンですね。
このとこの恒例で、祖父母の位牌と共にベランダ観月しますか。
そうなんだ、新暦9月はばぁばの祥月でもあるんだ、
9日に申し上げたように、重陽ならぬ忌み重ねの節句を過ごしたばかりなのです。
今週の万葉噺は、挽歌くさい挽歌でも拾ってみるとしましょう。

万葉の世界では挽歌は可也のウエイトを占めてる訳ですよね。
中には挽歌の原義=棺を曳く時に歌う歌とは程遠いのも少なくない中、今日の歌は一発でそれと気付くものです。
巻二220-222は、讃岐の狭岑の島に、石の中に死れる人を視て、柿本朝臣人麿の作る歌一首 并に短歌 です。

玉藻よし 讃岐の國は 國柄か 見れども飽かぬ 神柄か ここだ貴き 天地 日月とともに 滿りゆかむ 神の御面と 繼ぎ來れば 中の水門ゆ 船浮けて 我が漕ぎ來れば 時つ風 雲居に吹くに 沖見れば とゐ波立ち 邊見れば 白波騒く 鯨魚取り 海を恐み 行く船の 梶引き折りて をちこちの 島は多けど 名くはし 狭岑の島の 荒磯面に いほりて見れば 波の音の 繁き濱べを 敷栲の 枕になして 荒床に 自臥す君が 家知らば 行きても告げむ 妻知らば 來も問はましを 玉桙の 道だに知らず おぼぼしく 待ちか戀ふらむ 愛しき妻らは
(反歌二首)
妻もあらば 摘みてたげまし 佐美の山野の 上のうはぎ 過ぎにけらずや
沖つ波 來寄る荒礒を 敷栲の 枕と枕きて 寢せる君かも


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狭岑島は香川県坂出市にある島です。
行き倒れの人をみてというなら?
そう、前にやった聖徳太子の歌と同趣旨ですわ。
奇しくも人麻呂にせよ聖徳太子にせよ、伝承性の強い人物です。

挽歌ってのは我国の専売ではありません。
地球上には、えっ?!これが挽歌?って感じられるのもありますよ。
ジャズってのがあるっしょ?元々あれはアメリカ黒人の間の挽歌なんですよ。
生前いいことがなかったからせめて最期は賑やかに明るく送ってやろうって趣旨からと聞きます。
死因は問わず、いつぞややら今日の人麿のような溺死でなければならないって決まりはありませんから、念の為。



だ~か~ら~

溺死ーランド・ジャスって言いたかったのよ、あはっ!

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