【ネタばれ注意!】むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。(青柳碧人) をこれから読もうとお考えの方は、絶対に本稿を御覧にならないで下さい!!
フレンチローズの日 梅雨明け むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 青柳碧人 納涼怪談噺 耳なし芳一 最終巻 新品を定価で 女か、雀か、虎か ミステリー サスペンス 昔話 いにしえの昔話の主人公は富や力や権力を得て「めでたし、めでたし」となる 『こぶとり忌憚』はちゃちい。『陰陽師、耳なし芳一に出会う』は雑 齋藤杏花 (さいとうあんな) 齋藤杏花 不完全燃焼にして散財した事実だけが心に残った最終巻
昨日、某SNSでちらりみた情報なんですが。
何でも昨17日は、フレンチローズの日だとか。
うーん、バラねえ。
おらっとこのは揃って夏休み気味、このとおり若芽が出てるって状況です。
そういえばですよ。
ああ、やっぱ梅雨明けちまったのかなあ?
涼しかった日々は去り、また寝苦しい夜が巡って参りました。
こういうときの為の納涼怪談噺、昨日の耳なしトランプは勿論、耳なし芳一 のもじりです。
こんな事がふと頭に浮かんできたのも、表記『むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。』を読んだばかりだったってこともあるせいでしょう。
そうです、耳なし芳一もしっかり登場しました。
何でもシリーズ最終巻ってことだったので、初めて新品を定価で買った訳でございまして。
…ウソです。
随分前に、適当な古本見つけてツバつけて、もう少し相場が下がるのを待ってたとこ。
一向に値崩れせず、そうしてる間に件の古本がなくなってしまい新品購入を余儀なくされた訳で。
ふふっ!いいお値段ね、で御座いました。
という訳で御座いまして、って今日はこればかりなんですが、ま、兎も角いっぺんに読んじまったら如何にも不経済ですので、例によって例の如く加減しながら読んでたのですが、後ろ2話になったとこじれったくなり、最後まで一気読みしちまいましたわ。
というのは3話の『女か、雀か、虎か』、これ、何度も読み返してたもんで。
あ、ご多聞に漏れず、どのつづら持って帰るのが正解なのか気になったもんで。
が遺憾ながら、結局ははっきりとは分からず仕舞いでした。
ああ、巷間出回ってるネタ晴れと同じ程度の仮説なら出てるんですが、どうもしっくり、一巻の諸物語であったようなパズルが寸分違わずに嵌ったって感じにはなれないのです。
どうやら、というより、そういうことでして作者青柳氏自体が用意して書いてない様な気がしてならないのです。
これって、今までのようなミステリーというよりもサスペンス小説に変質してきたように感じられてならないんですよ。
何でも、私は知らなかったんですが、下敷きとなるようなサスペンスがあるとか。
そして、もうひとつの構成要素である昔話の色合いは更に薄まってしまいました。
第一話のこぶとり忌憚は、如何にもちゃちいなあ。今まであったようなあっと驚くようなどんでん返しはありません。
二話の陰陽師~は雑、もっと巧妙なトリックを期待して読んでたのに、結局は空振りに終わりました。
四話と最終話で一つの物語になるのかな?数々の昔話をエピソードとして登場させて。
でもまあ、昔話のパロではない、明らかにシリーズ全体のサゲとすべき物語にしたてたってところでした。
いにしえの昔話の主人公は富や力や権力を得て「めでたし、めでたし」となる。
だが…
これが結論でしょう。恐らくは書く前から用意されてた結論。
何か、不完全燃焼にして散財した事実だけが心に残った最終巻でした。