シャルル・ペロー - かの童話作家にみる17世紀欧州・サド花流考察 ~ これから青柳碧人・赤ずきんシリーズをお読みになる方は是非先に本稿をお読み下さい

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なにやら、不真面目不景気な梅雨になってる、おらほう。先ずは景気づけと参りましょう。
ニコ動は潰れてるから、音声のみですが。

レイジー・赤頭巾ちゃん御用心…これね。
いつもの誰かさんがよく歌ってる鼻歌ですね。
というより。
画像でもある、イントロ部の振り真似して、笑い取りに行くんですな。
こんなものを子供の頃から聞かされた私の子が、歴史は繰り返すで今は聞かされてる段になってる次第です。

そうだ、そうだ。
童話なんてものそもそも、親から子へと読み聞かせて伝承したものなんですよね。
青柳碧人赤ずきんシリーズのことは噺しといて、『サディズムに花束を!』のこの稿の復刻が未だでした。
参りましょう。

シャルル・ペロー - かの童話作家にみる17世紀欧州・サド花流考察
(2006年)

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青髭でもよかった。
或いは、ペロー自身でも。
だが、ここは最も著名な赤頭巾の童話で論を進めるとする。

過去数回論じているように、よくよく読めば童話とは非常に残酷なものである。
とりわけ肉食人種主流のヨーロッパにおけるそれは。
殺したり殺されたり、食べたり食べられたり。
赤頭巾もその例外ではない。

先ずは、ヒロイン赤頭巾自身が生還できるというストーリーは、後の世のグリム兄弟の加筆によるものであることはご存知か?
ペローのそれも含め以前に書かれた赤頭巾においては全て、彼女は狼に食べられてしまいました、でエンドである。
もっともグリムの生還ストーリーにしても、狼の腹を裂くなどという残酷な話であるのだが。

幾つかそのほかにも。
赤頭巾が騙されて、おばあさんの血と肉をワインと干し肉として食べるシーン…
我が国のかちかち山にもある、このシーンはペローが削除したようだ。
同じく、ヒロインが一枚一枚服を脱いでは暖炉に放り込むというシーンも。
まあ、サロンの女性たちに読ませるために書かれたものである故、生々しい民話どおりにはできなかったのであろうが。
逆算的にいうなら一事が万事、中世欧州の民話伝話というのは非常に残酷なものであったという証である。

それにしても、何故に子供向けに残酷憚が語り継がれてきたのであろう?
赤頭巾のことで言うなら、その使用目的は戒め。
思えば。
かの地の母親たちは娘が年頃になると、この話を聞かせたのであろう。
軽々に知らない男について行くと、こんな目にあうのよ、用心、用心、と。

童話が神話と化してしまった現代IT社会に、ご用心。

どうです?
赤頭巾は頭脳明晰な探偵どころが、逆に頭の螺子の2-3本も緩んでるような女の子だった訳です。
ねえ?あの赤ずきん探偵ったら、なんて、難事件をばったばたと。

今さりげなくご案内しましたが、お気づきになりました?
昨日追記で触れましたが那須2遺体事件、大きく捜査が進展しましたね。
実の娘が殺人容疑で逮捕…
正直、齋藤杏花 (さいとうあんな)探偵、完全に読み違ってました。
首謀者を関根容疑者と決め打って、杜撰な犯罪計画だなんて。
が、これが、娘の宝島真奈美が首謀となるなら、確かに実行犯を出頭さえさせれば、確かに真奈美はほぼ安全だ、
関根さえ口つぐめば、そこでとまってしまいますので。
物語のような空恐ろしいストーリーながら、これで一切の辻褄は合いました。

おっと脱線。佐渡花記事の補足に戻しましょう。
ん?服を脱いで一枚ずつ暖炉に放り込む?
戒め?

そういわれてみれば21世紀日本のどっかの首長選挙で、戒めのために服を脱いだポスターが貼られた話をしたばかりでした、あはっ!

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