このとこ暫く『光る君へ』噺を書いてなかったんですが、そうだ。今日が第22回・越前の出会いの日なんだわ。よし!今日の万葉噺はここから入るとしべえ

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曜日の勘違いを引き摺ったまま、月を越してしまいました。
昨日がで、第一土曜だったんでしたね。
あ、おらほうの地区の草ゴミ回収日
何せ勘違いしてたもので、第5土曜の何もない日と思い込んでしまってて、結局当分庭をぼうぼうとされる事になってしまいました。
ん?こういうことは奥の大将である私が仕切ることになってまして、はい。

で、冒頭画像。
今やってる某国営放送大河ドラマ『光る君へ』からの一齣です。
そうでした、そうでした、まひろとききょうが草ゴミに化けたんでしたよ。
それにしてもです。
紫式部と清少納言っちゃ、滅茶、仲いいじゃん!
史実派が青筋立てそうな前回までの展開です。
けどまあ、それも前回までで今日放送の第21回からは、主人公まひろは越前の地で都と離れ離れ。
再び都に戻ってから仲違いすることになるのかな?
ま、兎も角今の時点では今後のイメージはわきません。

イメージがわかない、イメージがわかない…
どうしても、まひろが紫式部だってイメージがわかないんですわ。
だから駄作、いえいえ!
清少納言はイメージそっくりそのままなんですわ。
私も逢ったことはありませんがまず間違いなく清少納言って人物は何ての?、あのウインターってのがやってるききょうってキャラそのものだったものと思料します。
それだけに余計、まひろが式部とは思えなくなる、それが悩みの種なんで御座います。
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紫ってのは、そもそもは植物の名前なんですよね。
ムラサキ科の多年草で、初夏から夏にかけて白い花を咲かせます。
一説に拠れば、群れて咲く、が語源で、古くは日当たりの良い草原に繁殖してまして、当然万葉集にも詠まれてます。
紫野行き標野行き
額田王を頂点とする三角関係(を巡る歌)は知らぬ人がないくらいに有名ですが、他にも多々。
例えば、このなのは如何ですか?

紫草は 根をかもをふる 人の兒の 心がなしけを 寝ををへなくに


3500は巻十四の東歌がずらずら並ぶあたりに登場します。
2箇所の"を"は字が不明なのでやむなく仮名にしました。
賁なのかなあ?そこら見渡せば皆、終のとこを岩波の萬葉集だけはこの字使ってる、けどまあ知ったかはよくないので自重です。
いずれにせよ、読み仮名だけは要りそうですね。
むらさきはねをかもをふるひこのこのうらがなしけをねををへならくに
となります。
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根はすっかり取り果たすもの、ムラサキで使うのは根の部分です。
そして寝に掛ける、何々?愛しい人妻と寝たいと思って果たせない、とな?
これぞ、田舎ならではのストレートな性愛の情ってとこですか。
そういや、光る君へでもいきなりストレートな性愛へと発展した過去回がありました。

もう一首見てみましょう。
巻十六3870も同じく、作者不詳の歌です。

紫の 粉滷の海に 潜く鳥 玉潜きでば 我が玉にせむ


今度の紫は枕詞、ムラサキは濃いから"こ"に掛かる枕詞なります。
そうなると歌意は非常に分かりやすい、あえて口を開くまでもないでしょう。
但し注目点がふたつほどあります。

一つ目は粉滷の海っちゃどこなのか、って点です。
巻十二にある子難の海と同一の場所であろうと推察されますが詳細は不明です。
一説に拠れば、八郎潟を指すということであり、もうそうなら万葉集北限の歌の記録大幅更新ですわ。

二つ目は歌の付いた左注。『右の歌一首』この判じ物です。
この3870は何かの寓意なのか?はたまたそれは穿ちすぎなのか?

こんなのをあれこれ考えるのも古典の楽しみ方でしょう。

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