某国営大河『光る君へ』連想で、まだまだ次々ネタが湧いてきますねえ。源平藤橘というけど、圧倒的に多いのは藤原

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細っこいお月が木星と競演してたと思いきや、ちょっと曇ってる間に上弦の月も通り越しまたボテ腹お月の時期となりました。
今日はまた日曜日でございます。

日曜となれば先ずは、某国営放送大河ドラマ。
あんな乙ゲー大河、少女漫画大河ではレビュー記事なぞ書ける訳がない、ってことで切り捨てた積りが、中々どうして、このとこ3日にあけず『光る君へ』の噺をしてます。
はい、関連して色々書けるんですわ。
で、です。
主要登場人物は殆ど藤原だ、と。
皆親戚?
ま、親戚をどういう意味に捉えるかによって答えは違ってきますが、遠縁は間違いないとこてすね。
人類皆兄弟!

まあ、他にも貴族ってのはいたんですけど、次々に没落して行き、藤原一強になってしまった、と。
うん、既に噺してました。鎌足がその祖です。
けどね、ともうちっと藤原家の系図見てもらえば分かるんですが、その全ては2代目藤原不比等の子孫なんです。
不比等のお母さんは?

われはもや 安見児得たり 皆人の 得がてにすとふ 安見児得たり

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そうなんですよ、あの安見ちゃんなんですよ。
そうなれば、紫式部も道長も公任も、皆、皆、安見児ちゃんの直系子孫なんですわなあ、これが。
ご案内の過去記事で既に触れているよう、不比等の父はどうやら天智天皇だったってのが真実で、鎌足のDNAは藤原家には入ってなかったってのが現実と考えられてますが、母は誤魔化しようがありませんもんね。

藤原家の祖は、なんと、安見児だった!

の驚愕の事実が浮かび上がります。
これは目から鱗でしたよ。

いくつか傍証はあります。
采女下賜などという前代未聞の事態に加え、(鎌足)嫡男・定恵の廃嫡。
別に定恵に不都合があったわけではないのにです。
それから、鎌足の正妻が鏡女王である事。
卑しくも王族の正妻がいる者が采女あがりの卑母から生まれた不比等が相続するとは、如何にも不自然です。
あまつさえ、妻にしたのは鏡女王の方があと。
そうなれば逆に、天智隠し子説を覆す傍証がないとさえ言えるでしょう。

さて今、正妻鏡女王の方が後からの妻といいましたね。
万葉集巻二冒頭には相聞歌が収録されており、鏡女王vs鎌足の歌もあります。
94番が鎌足の返歌となります。

玉くしげ みむろの山の さなかづら さ寝ずはつひに ありかつましじ

玉くしげはご存知枕詞、みむろの山とは神を祭ってある山で、ここでは三輪山の事を指します。
一説には三室戸山のとありとの後書はあるものの、いずれにしてもさなかづらまでは、さ寝を導くための序であり、94番の歌意は下句に凝縮されます。

93番の鏡女王が同様に玉くしげで始まる歌であり、いかにも相聞歌と言えましょう。

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