日曜の万葉噺と並び火曜の大河噺が準レギュラー化してきまして。つーことで『どうする家康』です。~ 茶々さま、怖ぇぇぇぇぇ!!!!!

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ついぞ忘れてた降雨という気象現象。
連日実感する事になりました。
昨日なんか最悪ですわ。
陽が照りつけるのを押さえるよしずを兼ねて、蒲団を出しといたとこ、ポツポツと音が。
え?雨え?!だって明るいのに、
と念の為ベランダに出てみればビンゴ。
大慌てで取り込んだ直後に篠突く雨となりました。

影が差すほどの日照があるのに降雨ってのは、俗に狐の嫁入りといいますよね。
嫁入り、
これは、 よめり です。
日本語の場合、母音が二つ重なると、原則として前が落ちます。
てな訳(?)で今日も例によってバカバカしいお噺なぞ致しますがまずはご案内を。

本日はご案内が多いんだよね。
えっと。
新カテゴリ『(〆後) サディズムに花束を!(番外3) 』!
再三お伝えしてる、齋藤杏花 (さいとうあんな) が齋藤杏花 (さいとうあんな) になる遥か昔の娘時代に手掛けてた、2番目のBLOGがありました。
件のBLOGの復元と新規〆後記事のカテゴリと独立させたわけです。
佐渡花記事は既にいくつか『sato8644@yahoo.co.jp の いつまでこんな事。。。 (番外4)』カテゴリ等々で引用的に復元はしてますが、そこらの調整はおいおいと。
取り敢えずは、盛況なアクセスを頂いてる『田村瑠奈(るな) - 自らが殺人をする様を動画に撮り残した人類史上屈指のサジスチン』を引越しさせました。

長くなりましたね。
噺に入りましょう。
一昨日の日の某国営放送大河ドラマ『どうする家康』第30回「新たなる覇者」です。

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案の上、パラパラ漫画になって来ましたねえ。
お市さまが、結婚(再婚)しました!って話がでたら、その回の内に北庄のでストーリーが進んじまって退場となってしまいました。
このように、信長コスプレまでさせて客寄せするなら、間に一話欲しかった、せめて一シーンなりとも…

「己ぇ~猿の思い通りにさせてなるものか…
 権六、妾(=わたし)を貰っておくれ」

が欲しかったなあ。
過去にもいろんなタイプのお市がいましたけど、ど家の北川お市は最期まで勝家を臣下扱いしてました。
で、ここで『サディズムに花束を!』に書いた『お市の方 - よくも悪しくも日本戦国時代の女性』になるのです。

お市の方 - よくも悪しくも日本戦国時代の女性

(2006年)

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さて、ここで取り上げるのは、かの織田信長の妹にて浅井長政の正室、そして淀の方らの母である、この人である。

なにせ、支配者の側からの記録しかない時代の女性を、しかもSMという観点から取り上げるであるから、演劇等の創作から切らざるを得ないであろう。
先ずは、鷲尾いさ子演じたところのお市から入ろうか。

「信長の妹は雲つく大女」
長政との婚礼前に近江に流れた風聞として語られる。
これは、かすかに史実の検証ができる。彼女は大変背が高かったと記録にある。
トールフェチの男性諸氏は聞いただけで生唾がわくのではないか?
そして、身長に関するフェチシズムはSMに結びつきやすい。

すなわち大女を組み敷くことに、肉食獣が大型草食獣をしとめるがごとくの快感を見出すサド嗜好。
本来小柄である筈の女性に見下ろされることに嗜虐の快感を見出すマゾ嗜好。
いずれも、『逆転の志向』にして、女性の心理がそれの裏返しになるという理想的カップル誕生の条件をも備える。
下世話にも『ノミの夫婦』というし。
もっとも、浅井長政がどう感じていたかは不明だが。

とご存知、その長政は、後に信長と敵対することになり、時あって滅ぼされることになる。
ここで、黒木瞳がお市を演じた別のドラマの話に移ろう。
髑髏の杯… ご存知か?
信長は、浅井親子と朝倉義景の頭蓋骨で金塗り杯を作り、ある正月の宴の余興にしたというのである。
かのドラマでは、その場いた黒木お市が信長から酒を勧められることになる。
而して、お市、

「できますれば、亡き夫・浅井備中守の髑髏でいただきとうございます」

恐らくはサロメの逸話からヒントを得た脚色であろうが、なかなかのものであった。

 お前死んでも墓へはやらぬ 焼いて粉にして酒で飲む (江戸・市井の唄)

その後、お市は柴田勝家と再婚することになる。
そして北庄にて勝家と運命を共にすることに…
歴史参考書は、こんなお市の方を戦国女性の悲劇として記す。

けど論者はその意見には与しない。
長政からも愛され、勝家からも大切にされた上々の人生といえるのではないか?
戦のために平均寿命の短かったこの時代において、二人分の結婚生活を送ることができたのである。

戦国女性の悲劇を記すのなら、戦で夫を失い子を死なせ、自らも失意の中飢えで果てた名も無き女性をもってすべきと思料するのだが、如何であろう?

【以下原文に無し】

さらぬだに うちぬるほども 夏の夜の 夢路をさそふ ほととぎすかな (市)

夏の夜の 夢路はかなき 後の名を 雲居にあげよ 山ほととぎす (勝家)
そこらに出てるの見ると皆句って書いてあるけど、これって歌なんだよ!

因みにお市ってのは謎の女性でしてね。
どうする家康で描かれた気高き織田家の女とは、正反対の下賎の者という説もあるのです。
つまり、偽織田と。

くノ一ってのがあるっしょ?
大鼠みたいな戦闘タイプばかりでなく、中には純然たる諜報活動を手がける者もいました。
大名にプールされた彼女らは、政略結婚の話が持ち上がった折に娘なり妹なりと称して近隣に送り込まれる訳です。
将にお市がそれだったという説です。
そういやどうする家康にも、大鼠よりも強い千代という豪族の妻(未亡人)もいました。

とまあ、母のお市が妖しげであつたとしても、娘たちが近江の浅井の姫の、誇り高い血であったことには変わりありません。
茶々(淀)は先に『サディズムに花束を!』の『淀の方 (茶々) - 親兄弟の仇である秀吉の側室となった秀頼生母』からお読み頂きましょう。

淀の方 (茶々) - 親兄弟の仇である秀吉の側室となった秀頼生母

(2006年)

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そもそも、秀吉は茶々の母であるお市に憧れていたということになっている。
主人筋である女性への憧憬… しかも片や秀吉は短躯のうえ痩せぎす、片やお市は超長身とあれば、それなりのシチュエーションも用意できよう。
お市の稿で述べたよう、彼女は浅井に嫁ぎその後柴田勝家と再婚し運命を共にすることになる。

さて、茶々からみた秀吉であるが、まず小谷落城の折に実父である長政と兄・万福丸を殺されている。
しかも万福丸は処刑である。
更に紆余曲折あった後、再び秀吉に北庄を攻められ、今度は母・お市と養父・勝家を殺されてることになる。

言ってみれば茶々にとって秀吉は、母と二人の父、兄の仇と言うことになるのだ。
その秀吉の側室となるときの彼女の気持ちはいかなるものであったろう?
テレビドラマで鶴田真由演じたところの茶々はこうであった。

 「知っておるぞ。そなた母に懸想していたであろう?
 主人に対し…汚らわしい …よかろう、側室にでも側女にでもなってやるわ。
 但し。そなたのことは草履とりとして扱う! 聞き入れられぬのならこの場で舌を噛み切る!!」

条件をのんだ秀吉との間に奇妙な主従関係が始まる。
「茶々様」「サル」と呼び合う逆転関係。
圧巻は「秀吉、馬になれ」お馬ごっこであった。
鶴田茶々は勘九郎(当時)秀吉の背に腰を下ろし這い回らせる…
痴人の愛を意識した演出であろうが、中々妖艶であった。

仇に身を任せるということがある。
女性はセックスに関しては受身、これを言い方を変えて言うなら男性を受け止める、吸収するということにもなる。
文字通り、男性の『せい』を己のなかに呑み込むのである。
古来より仇の子を生むことによって、復讐を果たすという事例は多々あり、将に強者への反撃たる女性型サディズムの典型例といえよう。

史実の茶々がどうであったかははかり知りえぬ。
ただ事実だけいえば秀吉の死後、茶々は世継ぎ秀頼の生母・淀の方、淀君として権勢を振るうことになるのである。
結果的には秀吉から全てを奪い返している。

もう少し、件のテレビドラマの話を続けよう。
場面は秀吉臨終の場である。北の政所・おねが淀の方・茶々に声をかける。

 「お前様、まだこの人を恨んでますかえ?」

激しく頭を振る茶々。ということでサクセスストーリー終劇となるのである。
本当に男女の気持ちと言うものは理屈では説明がつきにくい。
昨今では、セクハラだ、ドメスティクバイオレンスだと法が割り入る風潮にあるが、これは嘆かわしい事態だと評しておこう。

余談である。
薄幸の美青年として描かれる豊臣秀頼という人は、実際は体重160㌔もある力士のごとき男性であったと記録される。
痩せぎすの太閤とは正反対、それがために秀頼の父は秀吉ではない、一部には実しやかに同じくでっぷりと太った家康の子だなどという噂が流れた。

して、その真偽は?
これを考察するには、まだまだその道の修行の足りない論者である。

そうなので御座いますよ。
お市さまは、おまけ、一昨日のドラマも本稿も、主役は茶々さまなんです。
怖い…
ドラマのあのシーン、見た時一瞬、おっぱい触らせて色仕掛けで、猿を垂らしこんだと思っちまいましたわ。
あ、ちゃんと動画が拾えてます。

これなら聞きとりにくかったムロ秀吉の台詞も聞こえます。
「三四年もすれば代わりはおるでよ」
決まりですね。「…三四年といわず今だって。ほらちゃんと…」
性表現おおらかだった昔だったら、確実にそうでしょうでしょうけど、今はうっせーですからね。
その放送倫理違反を匂わせるような演技をするように、と注文があったものと思料します。

齋藤杏花(さいとうあんな)はTVなんか視ないもんで知らないのですが、この役者、子役なの?!
驚きましたね、なら絶対タッチボイン(←死語)なんか演じられる訳はない、
茶々さまも怖しければ、いやはや、中味の役者も末恐ろしい、
本役に替わらないで欲しいと発言した人が、『花の乱』の松たか子以来との注釈付きで、他にもいました。

怖しい、怖しい茶々さまに戻りましょう。
先ずは先程言いかけたよう、最後回主人公を奪ってしまってます。
如何に番組が信長コスプレを積極的に出そうと、ムロ秀吉の不気味さを倍加させようと、これで決まりです。
そしてドラマ全体でも最恐のラスボスが確定、そうでしょう、
主人公贔屓で見てもやっぱ、家康よりは一枚上かな?って秀吉を喰い尽くして、とつてもなく強大なモンスターに膨れ上がるんですから。
今後が楽しみ、本能寺の時みたいな期待はずれは許しませんゾ。

あっちこっち行ったりきたりでスンマセン。また30回に戻せば、お市なんてのは最初から喰っちまってますよね。
皆冒頭の場面を見落としてる、妹二人が徳川殿が父上だったかもってはしゃいでるのを叱ったでしょうよ。
そうです、姉川が伏線にありました。
一人だけ記憶に残ってる年限の茶々さまだけは、実父の死の原因が誘いに乗らなかった家康にあったと知ってて、最初から家康を目の敵にしてるんです。
子供の時の約束を信じてる母をあからさまに嘲り、また秀吉に対しても「母みたいな甘ちゃんとは違うわよ」と脅してきた相手を脅し返してるんです。
いやはや失語症のように、怖しいを繰り返すばかりです。

それにね、インサイドワークも相当なものですよ。
史実の淀は毒婦に描かれる創作とは違い、有能な女大名でもあるんですが、それに従ってます。
機を見て直接の敵と組み、やがて現れるであろうより強大な敵と戦おうとする作戦です。
事実織田家を簒奪した豊臣家を簒奪し返したことは、佐渡花でも触れました。

座りしままに喰うは徳川…

惜しくも決勝戦で敗れはしたものの、淀の発展させた大坂という町は、江戸時代いっぱい天下の台所として栄えました。

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