さる2023年央のその日、某国営放送大河ドラマ『どうする家康』もまた、お話の折り返し点を過ぎました

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遥か海の向こうの某米国が独立記念日を迎えるその日、太平洋・日付変更線を挟んだ隣組のおらほうは未だ梅雨が続いてます。
今年の梅雨はオーソドックスですね。
思えば昨年はそれは長い中休みを挟んだ二分構成の変則梅雨で御座いました。

さてまあ、今日は火曜日で某国営放送大河ドラマも見終わってますので直前回の感想を書ける時期ではございまいすが、第25回「はるかに遠い夢」のレビューに本稿を費やすつもりはありません。
というのは、ありきたりで取り立てて新たな発見のある回ではありませんでしたから。
ストーリーとすれば、前回の築山へ集え!で読めてた内容でして。
思えば金ヶ崎の引き戦の時と同じです。
ど家は回によって当たりハズレがあるんですよ。
でもまあ今回は決して悪い意味でもありません。
刺身料理には刺身もあればツマもある、将にツマの回であったと思ってます。
そうです、むしろツマの回だからこそよかった、刺身ばっか続けられたらやんなるのと同様、24回の超神回に続けて盛り上がれらた日には、話全体がここで終劇になってしまいます。
適度の余韻を残し、後半へと興が繋がりました。

で、次回。第26回「ぶらり富士遊覧」。
個人的次回予想が当たりましたね。
いやいや、むしろはずれなのかな?天目山通り越して勝頼死後の逸話にまで話がとんじまったんですから。
兎も角時系列は飛びすぎで、予告をみればキャラの面体も後半向きに一変されて降りました。
ん?こんな逸話を表に出すとは、これ、ひょっとしてあっと驚く本能寺設定のプレリュード?
愈愈大河で本能寺黒幕がはっきり描かれますかな?
家康説、秀吉説、そして両者の合本?興味は尽きません。

ここでは、さっと流されるであろう名門武田氏の滅亡に噺を馳せましょう。
割愛されるのは残念至極、個人的に好きな逸話であるのみに留まらず、日本人の大好きな滅びの美学、ちょうど瀬名ちゃんの最期に涙する心裏ですので。
武田勝頼が天目山に散った折同行してた者はわずか800、しかも殆どが女子供…
落ち目とはいえ、決戦に備え新築の諏訪新野城に集結した武装兵だけでも2万いたのに、皆どっか消えちまったわけです。
ドラマでは千代がものもいわず去っていくシーンに暗示されていました。

少し史実に触れていけば、勝頼にとっては義弟となる木曽義昌が寝返って信忠の先鋒となって伊那谷になだれ込んできたんですよね。
この地区のリーダーであった、影武者でもおなじみの信玄実弟・信廉がケツに帆掛けて逃げちまったんですよね。
妹の亭主が裏切ったなら、姉の亭主も、ってことで穴山梅雪もこの時点では徳川通じて織田方に付いてました。
なだれをうつとはこのこと、小諸守っていた猛将・信豊、信玄の甥が戦わずして降伏し、古今未曾有の不忠者と罵られ処刑されたという逸話も残ります。
そして最後天目山。
後北条も加わった3軍連合に囲まれた勝頼は自死するわけです。
この折の800分の一に信玄五女の松姫がいて、その後甲武信の険しい山並みを潜り抜け八王子に入り、出家して信松尼となったという逸話が、おんな風林火山のラストでした。

さて、伊那谷攻防に話を戻すなら、高遠城に触れない訳にはいかんでしょう。
信廉までが逃げ出したその中、戦う気があったものがこぞって高遠に終結する訳です。
むかーし、『目指せ!! 平成の女蜀山人!』に書いたものがありますので披露しましょう。

これで手間取った…

2005年09月04日


   登り来て 振り返り見る 坂の上 国美しき 四季の移ろひ (松井芒人)

ef7bd1c7.jpg高遠句碑
例によって例のごとく、全く歌と関係ない話から始めましょう。

平家物語等々に描かれる壇ノ浦の下りが何故にかくもウケるのでしょうか。
ずはり、滅びゆくものの美しさが人の心を打つのだと思うのですよ。
生物には「死の本能」Todestriebともいえる、の性心理に重なるものもあるのですが。

おっと、おっと、話を続けましょう。
時代は下って戦国時代末期。ここにもひとつの滅びがあります。
名門武田氏の滅亡…先ずは上記、高遠城の悲話が口火的象徴となりました。

記述的には、● 仁科五郎盛信 vs 織田信忠 ○ の戦い、ということになるのですが、少し背景を振り返りましょう。
高遠城主・仁科五郎盛信。
五郎というくらいですから、信玄の五男、安曇の豪族仁科氏の(押し付け的)養子となったのち、ここの伊那の高遠を守護していました。

地理的には織田領との隣接ですよねえ。戦になれば先ず初戦の場所となりますわな。
木曽義政(信玄の女婿)が織田方に寝返り、近くの大島城を守護していた信玄の弟・信廉までが一戦も交えず夜逃げした状況とあっては、ここ高遠城には勝ち目がありません。
盛信以下腰元衆に至るまでが武器を取って戦い、そして一人残らず斬死するのです。

高遠城の桜は紅色が濃いのは、このときの彼ら彼女らの血を吸ったせいだと伝えられます。

と、ご存知「高遠城の血染め桜」のお話でした。
んですが、実は~
予定していた短歌が見つからず急遽さしかえをしたんですよ。

 高遠は 懐かしき町 古き町 ~

確か明治の大文豪の歌…

情報をお待ちしますデス。。。

木曽義昌の字が違ってますね。愛嬌でそのまま出しましょう。
それと、高遠は~、ですけど。

たかとほは 山裾のまち 古きまち ゆきあふ子等の うつくしき町

これでした。

蒲団でお馴染みの田山花袋、、、

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