謎キャラ千代と最強勝頼と ~ 本年の某国営放送大河ドラマのレビューは、別に放映日直後に書かなくても同じ反響具合のようで

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本日もまた旗日のようですわねえ。
素で何の日かわかんなくなってしらべてみたら、みどりの日でした。
みどりの日って…
確か4/29だった。
そしてその4/29ってのはその前は天皇誕生日でした。
なんか、ホント、よー分かりませんね。
結局、先ずはGWありきで、その後付で祝日作ってるってカンジです。

わかんない、わかもない、よーわかんねえ、と。
これは、某国営放送の今年の大河ドラマ『どうする家康』に関しても同じことが言える言葉です。
ど家も、そう、阿月ちゃんとムロ秀吉の回はよかったんですよ。
前作最終回の大失速を請けて低調な出だしだったのが、ようやく見られるようになってきたかな、て。
期待したら、続く2回は酷いもんです。
まずは、前週に関し言い足りなかった悪口から入ります。

家康が血の気起して寝返ろうか迷ったって話でしたね。
史実から言っても又物語的にもありえないことだと既に言ってますが、ここでは正気に戻った切欠です。
近習二人が、信長倒した後にどうするか?と。
何気なく正論に見えますが、実はあれもおかしい、現実には仮に信長倒したとて群雄割拠に逆戻り、って訳ではないのです。
それは安土の信長を倒した時の話であって、今この時点は将に群雄割拠の真っ只中なのです。
ちょっと勢いのある信長が消えたとこで大勢には影響あらず、信玄もいれば謙信だっています。
事実史実の信長は生涯この二人はお館様と読んで謙ってました。
岡田信長が演じる信長を初回から安土の信長のキャラにしてしまったツケがここにもきた、事実、直後の三方ヶ原へのストーリーが窮屈になってきたわけです。

本題の第16回信玄を怒らせるなに入りましょう。
記事タイトルに従い千代から噺すなら。
謎の女ぁ?
これ、降将・望月盛時の妻じゃなかったの?
事実、一時期、正体が分かった回では望月千代のクレジットになってましたし。

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佐久の望月ってのは、中仙道で鉄道敷かれなかった区間にある宿場街ですね。
地名イコール人名ということで、信玄信濃攻略の折に真田幸隆の口利きで配下になった信濃国人衆の一人です。
その妻女ということなら、歩き巫女としての性質で物語りに登場してしかるべきで、事実いままでそうでした。
それが、16回では急に戦闘員になっちまってましたね。
結構戦闘能力も高い…
名前が揺れてるだけでない、明らかに別人物に化けてしまってます。

今までも大河は、結構いい加減なとこがありました。
制作会社が揺れたり、突如時代劇でなくなったり…
けど、ここまでの不突合はなかった、少なくとも齋藤杏花 (さいとうあんな)の記憶にはありません。
これ、わざとやってる手抜きじゃないかなあ…
ってことで、二人目に移しましょう。

いくらなんでもあの勝頼は…
嫡男後継として手塩に掛けて育てられてたなんて、無理筋が過ぎます。
武田勝頼となったのは信玄の死から3年後、は映画影武者ショーケン勝頼の事にせよ、少なくても信玄存命中に武田姓の名乗ったことはありませんでした。
実際名前に武田氏通字の信がありません、諏訪勝頼です。あるのは神代以来の名血諏訪氏の頼の字。
16回初登場の眞栄田勝頼が悪いって訳でない、即ち駿河攻略の折に廃嫡した嫡男の義信の存在をオミットしたが為のしわ寄せです。
幾人かの他の史実上の重要キャラとともに、思い切ってばっさりやっちまった…
なら穴山梅雪も出すべきではありませんでした。
前もいいましたっけ?なぜか大河等の歴史ドラマでは割愛されることの多い穴山信君入道梅雪って武将に、個人的に関心があるって。
それゆえ期待してただけに、反動としての失望もひとしおです。

武田家滅亡は信玄の後継問題の拗れが原因。
ひとえに諏訪勝頼と穴山梅雪との折り合いの悪さゆえに、戦国の名家は歴史舞台から退場することとなりました。
例えば今後間違いなく語られるであろう、長篠の戦い。
歴史の教科書では、鉄砲が騎馬に勝った戦国終わりを告げる戦とでてますよね。
これは表面ヅラを見ただけの分析です。
だとしたなら武田の将たちは騎馬よけの柵付近で砲死してるはず、しかるに皆が皆柵から離れた場所で討ち死んでるのですから。
つまりは、兵器以前の武田軍の戦術ミス…
まあそうでしょうね。親戚衆筆頭の穴山梅雪が出撃命令を無視して兵を動かさなかったんですから。
ちょっと後の関が原の『毛利のカラ弁当』みたいなものです。

昔、視聴率の悪さで放送短縮されたTBSの『おんな風林火山』。
あれでも長篠が描かれてましたよ。岡田奈々さんの佐保姫、信玄次女にて梅雪正室を中心にして。
とうのたったアイドル奈々ちゃんが演じてたのは、主人公をウリウリいびる鬼キャラでした。
同じく弟も。
「まあ勝頼さんが?あの人は諏訪…我が家の勝千代の方が正当…」
それに引きずられ夫も変質していきます。
流石に長篠戦場放棄はうまくなかったと梅雪が切腹覚悟すれば、いち早く
「お館様にはご機嫌麗しく…」直談判に及びます。
黙って小袋を懐から出し、砂金を弄び出し~
「穴山を切腹させれば多くの隠し金山が」
脅して見事に処罰を逃れさせるストーリーでした。

さて、今年の『どうする家康』は某ツイッターにおいては、放映日とは別のときにトレンドになることが多いように見受けられます。
つまりは、ドラマそのものが話題になることはないわけです。
物心ついてからこの方、私、NHK大河ドラマはカンペキに視聴してまいりました。
それが今般、初めてみんの止めたくなってきましたわ。

面白いと思うからでなく、止めようと思うからこそ視続ける日曜日が、今後も続きそうです。

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