某国営放送大河ドラマ本年放送の『どうする家康』のレビューを入れてみる。といっても中味は穴山信君入道梅雪の人物評です

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ジトジト菜種梅雨、と思ってたら寝入りばなの嵐に雷鳴。
すっかり睡眠を妨げられてしまった齋藤杏花 (さいとうあんな)です。
その癖、さっさと目が覚めてしまって夜明けまでまだ間が。
ここはBLOGでもと思い立っての起稿で御座います。

某国営放送の大河ドラマ。
去年のは頻繁にレビューをいれましたが、今年の『どうする家康』は2回ほどもののついでに噺した程度でしたね。
申し上げましたよう、視るだけはきちっと視てるんですが。
一方、某ツイッターはというなら去年みたくに放送時に火がついたように話題になることはないものの、地道に根強くはトピックになってる。
そこで、愈愈信玄と接触した直前第11回のレビューなぞを上げてみようと思い立ったわけであります。

んで、俎上の穴山信君入道梅雪です。
今回の役どころは諜報活動のようですね。
信玄の甥にして女婿。大河では何故か存在に触れられることのないこの人。
私はこの梅雪に興味があるんです。
小学校の時に読んだ学習雑誌の付録にこんな記載があったのがきっかけです。
『本能寺の変のおり堺に遊んでて、変を知り逃げようと港に向かったところを殺された』
そうでした。大河では『麒麟が来る』の逸話で出てきました。
当時は家康と同格だった穴山梅雪はオーソドックスな安全策を採ってまんまと明智勢の手に落ちたのです。
奇策で九死に一生を得た家康が後に天下をとる訳ですが、そこらがどうする~でどう描かれるかが楽しみです。

穴山信君って人は史実によれば鼻がなかったと伝わります。
その風貌はといえば昔よく見た信玄像、でっぷり太った坊主は実は梅雪入道だったって説が有力です。
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穴山氏てのは武田氏の親戚衆筆頭で、嫡男は代々当主の姫を正室に娶るのが倣いでした。
ということは…、で一文上げたのが『サディズムに花束を!』に残ってますので転記しましょう。

見性院 (穴山梅雪室) - 味方に嫁いだ武田信玄次女の数奇な運命とは?

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先ほどまで国営放送の大河ドラマを観ていた。
奇しくも山内一豊の妻と同じ法号のこの女性の本名は不詳だ。
が名無しのままに、本日放送であった長篠の戦いの裏主役とはなりうるのである。

長篠の戦い…
一般には、鉄砲対騎馬の戦いと言われる。
そして、これからは鉄砲の時代である、という転機になった戦いと位置づけられている。
果たしてそうであろうか?
もしそうであるのなら、武田方の大将たちは馬囲いの柵の近くで討ち死にしているはずだ。
だが史実を辿れば、みな柵から離れたところで果てているのだ。
武田方の敗因は別のところにあり。すばり言えば、内部統制の不足である。
つまりは、頭首・勝頼が惣領として認められていなかったということ。
その立役者が親戚衆筆頭である穴山信君、見性院の夫、のちの梅雪入道である。
彼は山頂に陣取ったまま、一兵も動かさなかったのである。

所謂お家の事情なのだがもう少し見よう。
見性院は勝頼の姉だ。
彼女にすれば、他家である諏訪に養子にいった勝頼が信玄の後を継ぐことは認めがたいことであったろう。
即ち自分の子である信玄の嫡孫が正当であると考える。
事実、弟勝頼にはなんやかやと牽制球を投げていたようである。
そこらの事情がそこやの事情が重なった長篠当時の武田お家事情であった。

このようにやり手であった見性院は武田滅亡後も生き延び、後に江戸幕府において保科正之の養育役となるのだが、人物紹介ばかりに紙面を費やしていても何であるからここらにしよう。
親戚衆と言った。穴山家は武田の分家である。
筆頭と言った。穴山家嫡男は代々頭首である武田の姫を室にする慣わしである。
これが…

と続ける前に、一言お断りしよう。
いとこどおしで結婚なさっている方。
どうぞ、これから先は読まないで頂きたい。

と、前置きして論を進める。
このように、穴山家というのは代々いとこどおしが結婚して血筋が続いている家系なのである。
このブログとして論ずることといえば… 近親婚。

バカな! と言われるか?
四親等の親族とは結婚が認められている! とどやされるか?
だか、考えていただきたい。
四親等がオーケーで三親等がダメとする数的根拠はなんであるか?
いとこどおしが正常・正倫でオジ姪・オバ甥だと異常・不倫だとする論拠は法規以外のどこにあるのか?
逆にこう問いかければ、お分かりになると思う。

近親婚の害悪はといえば、遺伝上の問題であろう?
であるがゆえに、代々これを重ねてきた穴山家はかなり危険なはずだ。
事実、穴山梅雪という人は鼻がなかったと伝えられる。
疾病等後天的理由でそうなったか、はたまた先天的にそうであったのか?

で、ようやく結論となる。
近親姦というのは現在の価値観では異常性欲に分類される。
そして、俗に言われる正常性癖の持ち主は、それを忌む。
別に全ての人に遺伝学上の知識が備わっているわけではない。
遺伝学などというものがない昔から、脈々としてそう推移していた。

人間の直情・直感というのは、非常に正しいものなのである。

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そうなんでしたわ。
穴山梅雪室・武田見性院!
視聴率が上がらず放送短縮されてしまった『おんな風林火山』では岡田奈々さんがやってた次女佐保姫でした。
散り散りに残ってる録画ビデオで視ることが出来ます。
織田のくそったれ!徳川のろくでなしってことで、売れない時代の保奈美さん(主人公、信忠許婚)をウリウリいびってたのが天目山後は華麗に一転して家康に擦り寄る、と。
女のしたたかさが見事に描かれてました。
民放番組ながら、あれこそが今般の『どうする家康』と被る…

以上、家康から信玄へ、信玄から梅雪へ、梅雪から見性院へと目まぐるしくシテを変えた、齋藤杏花 (さいとうあんな)大河レビューでした。

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