ん?どこぞの姐さんが言ってたのは彼岸花か…と謎タイトルです

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綺麗な秋空。残念ながら予報は予報でも西のほうで、おらっとこはこんな
とはいうものの、昨日はあっですよ。天気予報が外れたという天気予報が外れ、昼ごろから結構陽の出てきたおらほうです。
大喜び且つ大慌てで外に干し物なぞしました。
宵の口には木星もピーカピカ
お陰で考えてた枕が実体に沿わないものになってしまいました。
まあいい、出すか。

主婦の体験から話すなら、梅雨時よりもむしろ秋の長雨の時期の方が干し物に難儀しますねえ。
梅雨時はじめじめ降り続いてるようで案外、晴れ上がって陽の照りつける日が定期的に入るんですよ。
一方秋は、来る日も来る日もじとじとぽつぽつでね。
秋の日はつるべ落としが、日照自体がなくなるもので、異様にすっぱやく夜が訪れるのです。
さて、今日はまた日曜で万葉噺の日でした。

このとこずっと挽歌が続きましたよね。
今日は意図的にテェマを換える、 万葉 秋の草花 で検索掛け出てきた歌を行きましょう。
間違いなく多い筈ですから、絶対に未済の歌が出てくる…
こんなのが出てきました。

をみなへし 佐紀沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも

をみなへし、万葉時代は今と同じ清音で読んでたヲミナエシですが、奈良朝以降はヲミナベシと濁音です。
女郎花ですよ。ここでようやくタイトルの話に入れる。女郎花と彼岸花.jpgアー姐さん、おっと、アーチャリーと言ったら滅茶苦茶機嫌が悪いんだ、オウムの姐さんなんて言ったら殴り殺される、つーことで松本麗華姐さんがお彼岸の折に花談義してました。
私ったらよく読みもしないで女郎花のレスをつけちまったかしら?
まあいい、あの方がいってたのはヒガンバナ、今日の万葉はオミナエシです。
どこぞに別物であるとの証拠写真が載ってたのでお借りしました。

さて、歌は巻四675、作者は中臣女郎、人物については後ほどまたお話しします。
万葉におけるオミナエシは全部で14首、そのものの綺麗な花であるオミナエシとしてと佐紀に掛かる枕詞としての二パターンがあります。
佐紀とは平城京の北辺りの地名、今で言うとこの佐紀町になります。

ここで。ちょっと待った!ちょっと待ったとどこぞのヒゲじい風、
岩波の萬葉集では675は、こう出てます。

をみなへし 咲く沢に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 恋もするかも

そして欄外に、はっきり佐紀沢は誤りと。
音が理由なんですが、詳述は本BLOGの範疇外、よって割愛します。
花かつみは未詳なれど花菖蒲の一種でしょう、ここまでがなんとかつてを導き出すための序になってるのです。
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つまりは、この歌は、 かつても知らぬ 恋もするかも って事なのです。
非常に技巧に走った歌なれど、この素朴さ、そして女性ながらもこの力強さが、万葉の息吹をほのかに感じさせられます。

本BLOG初登場の中臣女郎は家持を巡る女性の一人、中臣女郎の大伴宿禰家持に贈る歌五首の詞書どおりこの後に更に四首、情熱的な恋の歌が続きます。

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