【ネタばれ注意!】むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。(青柳碧人) をこれから読もうとお考えの方は、絶対に本稿を御覧にならないで下さい!!

c53876c45d4b670a98b6809c23132ecb.jpg
やっばり。
梅雨は明けてましたね。おととい言ったとおりです。
そのせいもあってかなくてか、昨日がいっちゃんあちかった。あんか、あっですよ。むしろ夕方近くに一段気温が上がったような、おらほうでした。
冷房嫌いの齋藤杏花 (さいとうあんな) が入れずには居られませんでしたわ。
既に皆さん伝え聞いてのとおり、南関東は史上最速の梅雨明けにして最短の梅雨期間、この分じゃ水が心配なところです。

んで。
同じく一昨日投稿なんですが。
>振り放けて 若月見れば 一目見し 人の眉引き 思ほゆかも
の噺をしましたよね。
この家持の歌をみたのが、何を隠そう、本日俎上にあげた『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。(青柳碧人) 』なんですわん、楽屋話をするならこんなとこです。

んで、もうひとつ楽屋話をするなら、本書は生涯忘られぬ曰く付きになりそうなんです。
最初の時言ったように、この手の書籍は漫画との中間みたいなもので読みでがない、だから加減しながら読まないとあっという間に読み終わってしまって、味もそっけもない、だからそのように加減しながら読んでたのです。
全5話を午前と午後に1話ずつで最終章手前に差し掛かったとこ…
………なんですわ。
流石にしばらく死という文字は見る気にはなれませんよ。
そのままほっとらかして踏んづけて歩いてたんですが、少し落ち着いたきたもんで、ようやっとのことで読破致しましたです。

さて本書のやっぱり形式的には一話読みきりのオムニバス方式ですね。
赤ずきん~みたくに一本の話ではない、けど完全に読みきりというわけでなく、時系列的にはきちっと上手くつながってるのですよ。
不遜な言い方ながら、作者の文章力が書いてる内に上がって来てるんでしょうね。守り人シリーズでちょうど同じように感じましたが、と重ねての不遜。
さて、あんまネタ晴らししてしまうのも仁義にもとりましょうから、前二回と同じく一話に絞ってレビューしましょう。

pixta_38193217_M.jpg
早々、万葉歌の事を話してたので、もうお察しでしょう。
そうでしたよ。若き大友家持の思慕の情が歌われた…
本稿は第一話の竹取探偵物語のレビューになります。
何故これを?それは、今までで一番原作に近い形でミステリー化されてるのに感嘆したからです。

五人の貴公子の名前。
人々に見て、そうだったか!と思い出しました。
そしてそれぞれに課された課題。
伝承世界共通の難題婿ですね。

竹取物語は只の昔話・童話の類ではない、世界最高の小説と押す人があるくらいに奥の深い作品です。
色々な側面を持ってる、そしてその一面がアイロニー。
高貴な人々が、単に美しいというだけでどこの馬の骨ともわからない女に夢中になって身上潰す様を嘲る、将に竹取探偵物語の世界そのものです。

そしてー。

かぐや姫っちゃ、ひっでえ女ですよねえ。
そんな貴公子たちに労いひとつ、哀れみひとつ、掛けることなく時が来たらば「はいっちゃ~」っと月に帰ってしまう、
却って潔ささえ感じてしまうレベルですわ。
本書・竹取探偵物語では、それが(地球上には未だ存在しない)探偵という職業であると描かれます。
いつの世でもいい面の皮が弄ばれた男ども…

「女って本当に、ろくなもんじゃねえな」

サゲのこれが利いてますね。
池波正太郎ワールドの辛らつな女性観です。

意識しての事か、はたまた?

7dabe230bd76e6ae1a95d40eda2746e1.jpg