追悼・二代目中村吉右衛門 ~ TV時代劇『鬼平犯科帳』考
中村吉右衛門 鬼平犯科帳 時代劇 二代目中村吉右衛門 人間国宝 読売新聞 尾美としのり 吉右衛門 長谷川宣以 池波正太郎 八代目幸四郎 九代目幸四郎 信濃では 月と仏と おらが蕎麦 正月四日の客 真田そば 河原崎長一郎 山田五十鈴 長谷川平蔵 人間ドラマ鬼平

オミクロン騒ぎの喧しい中、件の訃報は入ってきました。
そうですか。何かこの3月、心配停止状態なる誤報に近いような速報が飛び込んできたこともあって狼が来たではありませんが、俄かには信じられない事だったのですが…
読売のコラムこそ朝夕このトピックを取り上げてはいるものの、人間国宝等々の業績を鑑みればいくばくか寂しい最期です。
残念で堪りません、心よりの哀悼の意を表します。
吉右衛門丈ってのは非常に気さくな人柄で、例えば人間国宝に決まったとき鬼平仲間の尾美としのりさんから、
「国宝を拝ませてください」
と、言われてすかさず手を差し出し、
「はい、拝観料」
と返したとか。
この人間臭さこそが将に役者・吉右衛門の真骨頂と言えましょう。
役者の評価をするなら、あれもやった、これもやった、の色んな役を見て、その上で評価をすべきでしょう。
けど、そう。この鬼平犯科帳の長谷川宣以という主人公なんです。
一人の人間の多面性・多様性・矛盾性が見事に描かれたキャラであり、この一役をやるだけで様々な人間を演じたことになる、
少なくても素人の役者評論程度なら、鬼平一本観とけば十分でしょう。
吉右衛門丈自身は、「親父(八代目幸四郎)はアテ書きだったからいいけど、仏仏」といってたらしいけど、なかなかどうして、格好の役柄に恵まれました。
ここまで言えば、吉右衛門=鬼平 で噺しちまっても誤解は招かないでしょう。
昨日同様、『目指せ!! 平成の女蜀山人!』から一稿拾います。
うーん、今になって整理してみると、 吉右衛門の正月四日~はspじゃないな、さて、木曽路のトピックスのフィナーレは2005年07月11日
信濃では 月と仏と おらが蕎麦
と、一茶の有名な句で締めくくりましょう。
信濃といえば蕎麦、これも有名ですね。
私が信濃蕎麦から連想するのは、池波正太郎さんの『鬼平犯科帳』。
はじめてみた鬼平が、『正月四日の客』でした。
毎年、枕橋にある蕎麦屋”さなだや”では、正月四日には、”真田そば”しか出さない。
一般には辛すぎるこのそばを、好んで食いにくる客があった。
その客と店の女房・おこうとの正月四日にだけ会う数年が続く。
ある時、おこうは平蔵から亀の小五郎という盗賊の話を聞いて驚く。
小五郎の腕にある亀の刺青が、正月四日の客にもあったのだ。
(’93年1月13日放映)、何回目の再放送でしたっけねえ。
ラスト、河原崎長一郎さん扮する小五郎が「おかみさん、私をお売りなさったね?」と言い残して引き立てられていって、しばしあっての山田五十鈴さん扮するおこうの台詞。
「ばかにしないでよ。あたしだって綺麗なままじゃいられないよ!」
なんか、これが非常に印象的で、一発で鬼平ファン、池波ファンになってしまったんですよ。
さて、一部の♂諸氏から密かに「女鬼平」と恐れられてる私ですが。ただ、
随分前の某全国紙日曜版、
『うちの娘は大の鬼平ファン。小2国語のテストの、い で始まることばを書きなさいに、いそぎばたらき いちみのかしら…』
これ、私じゃないからね、あはっ!
第四シリーズ・第四話にありました。
でもDVD見返してみると、印象に残ってたおこうの最後の台詞がない、
どれと思い違いしてたのか?
てなカンジで、はいはい、揃えましたとも、その後。
ハートワークが出てたのに加え、BSの方で繰り返し再放送やってたんですよねえ。
流石に白黒時代の幸四郎第一シリーズは元々ないものの、幸四郎第二シリーズ以降、過去放映された映像はすべてコレクションしました。
いいですねえ、人間ドラマ鬼平。
各代鬼平のみならず、それぞれの脇役たちが数多の人間模様を描いてる…
その内でひとつあげるなら、なんと吉右衛門が若き日に幸四郎シリーズで、ずばり、息子・辰蔵役で出てるんですわ!
時にですよ。
歴代の鬼平の中で、最も優秀だったのは誰だったと思います?
これがねえ、4代の誰でもないんですよ。
答え。
最も最近、別局で放映されたアニメ版の鬼平。
深夜民放30分枠で事件を解決してしまうから、あはっ!
