【ネタばれ注意!】むかしむかしあるところに、死体がありました。(青柳碧人) をこれから読もうとお考えの方は、絶対に本稿を御覧にならないで下さい!!

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今日のお天気はどうなるか?
流石にめっきり夜明けが遅くなったこともあってか、朝起きた時点では容易に想像も付きません。
更にはこのとこどうも、睡眠の質が悪くなったってヤツで、何やら夢見もよくありませんね。
これは確実に季節はずれのバカ暑さの影響ですわ。
アテんならない天気予報に依れば、昨日が今シーズン最後のあっちい日になるとか、果たしてどんなもんでしょう?

でもね、この陽気のせいで、庭はすっかり花盛り。
なにやら春とカンチガイした花までも咲き誇ってます。
一番はやっぱ、玄関先の四季咲きのバラですね。
今を盛りに咲き乱れてます。
うーん、こうなったら赤桃系ばっかになっちまったののが惜しいな。
ホント、黄色がもう一色あればなあ。
一体だれが、ランドラを殺した?
裏の白い蔓バラはヘクソカヅラの仕業と割れてますが、ランドラ殺しは迷宮入りです。

てな訳で、齋藤杏花 (さいとうあんな)、珍しくミステリーなぞを読みましたもので、レビューをあげてみようと思います。

久々に一気読みできた書籍にですわ。
あ、冒頭紹介の『 むかしむかしあるところに、死体がありました。』です。
まあ、所詮は元々が漫画本に毛が生えた程度のボリュウムなんですが、と言ってしまったら実も蓋もない、なんとかスーパーポイントとの交換では珍しくアタリを引きました。
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昔話をベースにしたミステリーのオムニバスなんですが、見事に引っかかったのが三話の『つるの倒叙がえし』ですわ。
…といいですか?
ここから先はネタ晴らしになりますので、これからの方は
絶対にご覧にならないで下さいよ~
再度の念押しです。

先ずは恥ずかしながらこの齋藤杏花 (さいとうあんな)は、倒叙という国語を知りませんでした。
それで読み出したのが、第一の不覚でしょう。
私はミステリーファンではありませんので、ファンなら当然意味を知ってるであろう倒叙には気を留めることもなく読み進みました。
最終9章の手前、一見サゲに見える、
むかしむかし、そのまたむかしの、お話です。
にルビが振ってある、
そして、9章の出だしが、
むかしむかし、
になってて、そのまた~が消えてる、そこでピンと来て初めて倒叙を辞書引いたわけです。
これが広辞苑でも紙の古い版には載ってない、ばぁばの形見の電子版を引っ張り出した電池入れて調べた訳で、と余談。

さてもさても、種明かし最終章の出だしでピンときたものの、それから先が何かしっくりこない、何度か読み直しても同じです。
それは…↓
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↑ 火の鳥・異形編のストーリーが頭に浮かんできちまったせいと思います。
あれと同じく、
タイムパラドックスに巻き込まれた主人公が未来の自分を殺しに行くという無限回廊
が繰り返されるってオチかな?と勝手に思い込んで、一人合点してしまいました。
いや、これ(錯覚させる事)もまた、作者・青柳碧人氏の仕掛けの一つだと思いますよ。
この作者少なくとも、ぜってー件の手塚代表作を読んでます。

まあ流石に、何度か読み返すうちに正しく読む事になるのですが、キーは『あずきちゃん』でした。
そして、よく見ればさりげなくもはっきりと「(前の村長は)川に転落死した」と記述されてるのに気付き、文末注意書きにあるよう『単純』に、奇数章と偶数章では20年の落差がある『だけ』の事、
即ち時系列で正しい順に並べれば、
おつうの登場する2章が出だしで、4→6→8と続き、ここで20年の時を隔てて最終9章、以下説明のとおり初っ端1章に戻り、3→5→7、
考えオチ気味のendだっ!
と得心する事になるのです。
どうです? 一度お読みになった方は是非改めてこの順に読んでみるといい、何か矛盾だらけだなあと感じてたフラストレーションが雲散霧消すること必至です。

と、まあで御座います。
エラそうな事を言う割にはどうも、齋藤杏花 (さいとうあんな)のオツムも大したこたぁありませんね。
ミステリーのように、たった一つの道を見逃さないように行く、ってプロセス思考回路は苦手なのです。
得手なのはいくつもの道がある、その誰も気付かないような隠しルートを見つけることの方のようです。
この一つの道って、それこそ、むかしむかし、そのまたむかし…

爆発的に流行ったナンセンスクイズというのがあったそうです。
ネタ切れになるにつけ段々、答えを知ってなけりゃ絶対に解答できないような駄作が多くなって廃れたらしんですが。
ミステリー小説なんて、このナンセンスクイズの類なのでは?と考えてる生意気な私メです。
ですので好かず、平素はついぞミステリーなぞ読む事はありません。
けどまあこの、青柳作のむかしむかし~はそこそこ楽しめました。

そうそう、嫌いというなら。
私は、原作というか夕鶴の『おつう』は大嫌いなんですわ。
にも拘らず『つるの倒叙がえし』に一番引かれた、と。
それは、本書の『おつう』がベビーフェイスでない為でしょう。
成程悲劇のヒロインには違いありませんが、ぶりっ子のやられっぱなしではありません。
私曰くの独占欲の強い身勝手な女に描かれてますよ。いや何か、むしろ、こっちの方が夕鶴の原作と思えるくらいです。
しかも『この原作』のおつうは『夕鶴では割愛されてしまった』エピソード、やせっぽち女の癖に男から殴られたら殴り返す、という逸話も描かれてます。

そして時を経て復讐の機会を得てとうとう…
…借刀殺人で意趣返しをすることになるのです。
恩がえしにして意趣がえしにして倒叙がえし、

と、カンペキにネタ晴らし、あはっ!

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