この稿は、志貴皇子『采女の 袖吹きかへす 明日香風 都を遠み いたづらに吹く』の評なのです。非常につながりは悪くなってしまいましたが

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先ずは珍妙な一句から。

カロル聞く 雪なき里は 冬銀河


へったくそですね。
季重ねもいいとこ、下手すりゃ3重季重ねですわ。
まったく…俳句の方もお絵かき並みの腕であることを披露してしまった理屈屋・齋藤杏花 (さいとうあんな)少女時代でした。

英国流表記でカロル…今日はクリスマスですね。
思わぬ機会でメリークリスマスを云う事になりましたが、これ幸い。
クリスマスの挨拶と言うのは(ある程度早い分にはかまわないが)1日でも過ぎてしまったらナンセンスなものになってしまうからです。
新年の挨拶と逆、26日にメリークリスマスというのは、大晦日にあけあめを言うのと同じです。

更に云うなら、キリスト生誕の日とされるクリスマスってのは何で2日に渡ってやるのか?
当時の一日は、日の入りから日の入りで数える風習だったから。
成程、24日の日の入りから25日の日の入りまでの、北半球では24時間をちょっと越える時間がクリスマスだったと。
ですから例えばこの稿にメリークリスマスと書いて、今晩帰って来てからごらんになった方があったとしたら、厳密に言えばこりゃ大晦日に賀詞を受けたようなもの、
つーことで、夕べの何はともあれメリークリスマスは、大正解だったわけです。

で、駄句に戻して。
この句、一応は冬銀河の事を詠んでんですけどねえ。
そうなんですよ。色々曰くがありまして、はい。
んで、今年も多分に漏れずそうですが、おらほうって大概この時期は晴れ続きのからから天気なのです。
この天候いいように思えて反面、気温が低いせいも手伝って、荒涼とした寂寞感を覚えるとこです。
と、ここまでいったとこで、万葉の歌に入れるのです。

黛敏郎さんは犬養先生のお弟子さんです

2005年05月08日

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犬養先生が若き日、国語の教師をやっていたころの教え子に、
作曲家・黛敏郎さんがいます。

記事に書かれているように黛さんは、巻一-五一 志貴皇子の歌

   采女の 袖吹きかへす 明日香風 都を遠み いたづらに吹く

に曲をつけて先生に献呈しています。

大阪大学合唱団による男声四部合唱の録音があるのですが…
うーん、残念。このblogは静止画像しかアップロードできないんだ、、、

犬養先生は黛さんに先立たれたことを大変ショックにお思いだった、と聞き及びます。


つながりは悪くなりましたが、そうなのです。
荒涼とした寂寞感で浮かんでくる一首は、正真正銘演出なしでこれなのです。
場所も季節も、そして昼夜も全く違うのに、まずこの歌が浮かんでくるのが私、齋藤杏花 (さいとうあんな)です。

志貴皇子のお母さんも采女だった、亡母への慕情が寂寞感を引き立たせるのでしょう。


(注) 2005年05月08日当時のライブドアブログでは音声はアップロードできなかったため上述のような記載になりましたが、このBLOGでは右サイドバーに犬養先生の講義録音を掲げてありますので、そこ→でさわりの部分が聞けます。